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『エキノコックス症』 上

3月28日、感染症に関する報が流れた。
発表したのは愛知県の保健当局で、同県内(知多半島地域)で捕獲した3頭の野犬から、寄生虫によって引き起こされる人獣共通感染症の一つである『エキノコックス症』の陽性反応が出たという。
同局は、今後も感染状況の調査を継続することと、適切に予防すれば私たち人間への感染の危険性はないことを、合わせて呼びかけた。

同県内では、今回の届出を含めて、これまでに4例のエキノコックス症の届出(平成26年4月に1例・平成30年3月に3例)があったことになる。

ちなみに。
平成26年4月の1例は、同県内阿久比町内で捕獲された野犬1頭から『エキノコックス症』の陽性反応が出たことを、診断した獣医師が届出したものだ。
それを受けて、知多半島地域では捕獲された野犬の糞便を調査し、『エキノコックス症』の感染状況の検査を継続して行ってきたが、これまでのところ陽性例はなかったという。

しかしながら――
今回、国立感染症研究所との共同研究事業において、同県衛生研究所が、より精度の高い遺伝子検査を行った(過去の検体に実施した)ところ、捕獲した当該野犬3頭から『エキノコックス症』の陽性反応が出たことが判明し、件の発表に至ったという運びだ。

ところで。
動物に関する感染症については、現在継続中である当ブログシリーズ『動物の感染症』でも触れている話題だが、当ブログ読者の方々は、『エキノコックス症』についてどの程度の知識をお持ちだろうか。
すでに知識を持ち合わせている方々もいらっしゃるだろうが、そうではない方々のために簡単に触れておく。

冒頭にも書いたように、『エキノコックス症』とは、”エキノコックス”という寄生虫によって引き起こされる人獣共通感染症である。
”エキノコックス”には大きく分けて”単包条虫”と”多包条虫”の2種類があり、後者は北海道の固有寄生虫だそうだ。
日本で発症した『エキノコックス症』のほとんどは、この”多包条虫”によるものらしい。

厚生労働省が定める『感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について』では、『エキノコックス症』は第4類(感染者に深刻な健康被害をもたらすハイリスクの感染症)として指定されている。

『エキノコックス症』の主な流行地域は北海道で、毎年、10~20人ほどの患者が出ているという報告があるそうだ。
日本ではじめて『エキノコックス症』の診断が下った例は1936年のことで、その人物は北海道礼文島出身の28歳の女性であったという。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉