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たとえ離れていても 17

つまるところ――
”生きる”ということは、なにかを”学ぶ”ことであり、何不自由なく過ごしていては見失ってしまう可能性が否定出来ない。
生きていれば誰だって良いことも悪いこともあるだろうし、うれしいことやかなしいこともある。
すべては、この世に生きる誰もに訪れる”学びの時”なのだとぼくは捉えている。

ひょっとしたら、Mちゃんの逸走事件は、W様ご夫婦に訪れた”学びの時”なのかもしれない。
神のみぞ知ることなのだろうが、ぼくには一ついえることがある。
二人暮らしの共働きで家を空ける時間が多くても、W様ご夫婦にはMちゃんと暮らす自由がある、と。

W様ご夫婦はMちゃんの捜索について、こうしてぼくに電話をかけてきている。
それだって立派な”愛情”だ。

インターネット上の迷子ペット様掲示板などには、多数の情報が載せられている。
動物病院やペット様関連のショップ、路上の壁や電柱に貼られている迷子ペット様捜索のポスターを見かけることも少なくはない。
それらに目を通せば、飼い主様自らだけ(友人・知人を含む場合もあり)で捜索をなさっていると思われるものがある。

いや。
誤解しない頂きたいが、それが悪いといっているわけでは断じてない。
真剣に捜していない飼い主様よりは、よっぽどマシだ。

ただ、曲がりなりにも迷子ペット様捜索のプロであるぼくとしては。
迷子ペット様捜索についての初心者である飼い主様だけで、適切な捜索を行うことができているのか疑問を抱かざるを得ない。
そのような飼い主様の場合、おそらくはインターネット上の情報を参考の頼りにしているであろうからだ。

残念ながら。
インターネット上にある迷子ペット様捜索方法の類には、間違っていない情報もあるが、首を傾げざるを得ない情報も存在する。

迷子ペット様の発見体験談についても、あくまで参考程度に捉え、”それはそれに過ぎない”と判断するべきだ。
たとえば、逸走経緯。
たとえば、捜索現地の立地環境。
その他諸々に至ってもすべてが個別の案件で、同じものは二つとないからである。

それを知ってか知らずか、そういった情報だけを鵜呑みにし、的外れかつ効率の悪い捜索方法を実施しているケースが見受けられる。
そうなると、迷子ペット様が行方不明のままになってしまうケースがあるので、迷子ペット様捜索のプロであるぼくとしては胸を痛めるばかりだ。
まあ、悪徳業者がはびこるペット探偵業界にこそ、問題が大ありなのだが……。

とにもかくにも。
自分たちで頑張るだけではなく、業者を頼ってでもMちゃんを発見・保護しようと、W様ご夫婦は決断なさっているのだ。
それだけでぼくは、W様ご夫婦が寄せるMちゃんへの”愛情”を信じられるのだった。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉