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サンタクロースからの贈り物 2

Yはゴクリと喉を鳴らしてから言った。

「迷子犬の件でご相談との事でした!」
「本当に!?」
「はい! 本当です!」

にわかには信じ難かった。
ライクの件を含めて大変お世話になっているM動物病院であったし、スタッフの方一人一人が親身になって頂いた記憶しかないからだ。
ライクが天に召された際にも供花を頂いた程の動物想いの院長。
弊社をご利用なさっている飼い主様の中にもM動物病院をかかりつけにしていらっしゃる方が多いのは、そういった人柄の賜物であろう。
そんなM動物病院がお預かりしている犬を逃がしてしまった……?
私は繰り返し聞いた。

「本当に迷子犬のご相談なの?」
「はい! 迷子犬をメビー・ラックで預かれるかとのご相談です!」
「そう……迷子犬をね……って、どういう事!?」
「はい! 先程、迷子犬を保護しているTさんという方からM動物病院に問い合わせがあったそうです!」
「そういう事かあ……」

早とちりした自分を恥じて一先ずホッとする。

「で、どんな犬だって?」
「はい! ボーダーコリーだそうです!」

私は弊社でのご利用履歴があるボーダーコリーを頭の中に思い並べた。
いずれの飼い主様も、弊社が迷子ペット様捜索を行っているのをご存じのはずなので、緊急事態があれば直ぐにご連絡を頂いているはずだ。
けれど、現時点でどのボーダーコリーの飼い主様からも迷子になったというご相談を承っていない。

「そのボーダーコリー、M動物病院がかかりつけなの?」
「いいえ! 違うようです! Tさんはペット飼育不可住宅に住まわれているそうで、ご自身ではペットを飼われていないそうです!」

なるほど。
そういった事情でボーダーコリーの預かり先を探しておられるのか……。
その後のYとの会話でわかった事がいくつかあった。
Tさんが首輪付きのボーダーコリーを保護したのは前日の夜。
冷たい雨が降る中トボトボと歩いていたボーダーコリーをかわいそうに思って、とにかく放っておけずに家の中へ連れて行ったらしい。
ケージやリードは別の動物病院に貸して頂いたそうだ。
そこではペットホテルもやっているはずだが、身元が明らかでない犬がどんな病気や感染症を患っているか分からない以上、診察と預かりはできないと断られたという。
止むを得ずフード類はTさんが急いで買い揃えたが、果たして困り果てた末、今日になってM動物病院に電話をよこしたそうだ。
役所関係にボーダーコリーを保護した旨はTさんが連絡済みだが、飼い主さんからの届け出は未だないという状況だった。
なぜ、一日経っても飼い主さんが迷子犬の届け出をしていないのか??
考えたくはないが、遺棄されてしまったのか――

≪ライク……≫

必然、私は店内に飾られているライクの遺影を見上げた。
迷子シニア犬だったライクとの出逢いや飼い主さん捜しの日々を思い出す。
微かな、けれども深いイタミが胸を裂く。
私は唇を強く結んだ。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉