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サンタクロースからの贈り物【番外編】 昨今のペット飼育事情について? 〜迷子ペット様にまつわる事〜

「ただ……」

ボソボソと発しながら、T様は数回のまばたきを繰り返した。

「業者の所在地から遠い距離にお住まいの飼い主様だと、どうしても電話だけの判断になってしまうのは否めませんよね?」
「だからこそ私達は、飼い主様ご自身が迷子ペット様捜索の知識を得る事を推奨しているのです」

理想としては、ペット様を家に迎い入れると決めた時点で、既に迷子ペット様捜索のいろはを理解していてもらいたいくらいだ。
動物病院・トリミングサロン・ペットホテル・ペットシッター等のペット様関連業者も例外でないと強く思う。
開業中であれこれから開業を考えている段階であれ、ペット様相手のプロを名乗るつもりなら、当たり前の知識として把握していてほしい。

だがしかし、私達の願いに反して、大概はお決まりの意見が返ってくる。
『契約の際に、預かるペットの安全と安心を飼い主に約束している以上、逃がした時の知識があると謳うのはどうもバツが悪い。もしかすると、ペットを逃がされるんじゃないかと勘ぐられて他を探されたら、売り上げに響く』
という種のものだ。

これについては声を大にして言いたい。
私達メビー・ラックにはペット様捜索部門があるが、それが原因でマイナス評価を下された事はない。
むしろ、万が一があっても安心だと評価してもらっているくらいだ。

他の意見には、
『うちはもう何年も営業しているけれど、一度だって預かっているペットを逃がした事なんてない。これからだって、逃がしたりするほど間抜けなスタッフを雇っているわけじゃない』
という自負もよく耳にする。

T様は渋面を作った。

「行き過ぎた営利主義と慢心の塊が、ここでも顔を出すんですね」
「はい。一度その塊ができると、融解させるにはなかなか困難を極めます。それこそ、預かっているペット様を逃がしてしまってから、初めて事の重大さに気づくくらいで……」

実際、行き過ぎた営利主義と慢心は悪性腫瘍のようなものだと思う。
いつからか巣くった悪性腫瘍は、知らぬ間に肥大化していく。
適切な時期に適切な処置を施さなければ、愛玩や愛護の精神を否応なしに浸食していくだろう。

しかも厄介なのは、この悪性腫瘍は伝染力が強いのだ。
複数のスタッフを抱える業者の全てがそうだとは言わない。
が、良心という予防を忘れると危険だ。
スタッフの内一人でも悪性腫瘍に侵されている人間がいると、他のスタッフにもあっという間に伝染しかねない。
そうやってスタッフ全員の良心が食いつぶされた頃、預かっているペット様を逃がしてしまうわけだ。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉