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サービスエリアの空の下 109

手作り食の状態確認及び補充を行っている間も、男性から電話がかかってくることはなかった。
先ほど来、鈴音も聞こえてこない。

それにしても、男性が幽霊状態の”シロ”くんを追うことになり協力を仰げなくなる場面がこようとは、よもや想定外だった。
F様とA様が捜索の手伝いに来てくれたことも想定していなかったが、そちらの方は助かるので、感謝の限りである。

手作り食の確認と補充作業を終えた私は、今後の展開に頭を切り替えた。
先ずは、現況を整理する。

男性が戦力外状態である以上、私としては、F様とA様を頼りにするほかない。
とはいっても、お手伝いしてもらえる時間には限りがあるだろう。
それに、あくまで善意の協力者たちなので無理強いはできないし、するつもりもなかった。

その前提で考えると。
二人の体力的なものも考慮すれば、あちこち捜し回って歩かせるよりも、今やってもらっている張り込みの継続をお願いするのがベターであろう。
なんだったら、自分たちの車を草むらに近い駐車スペースに移動してもらって、車内で待機しながら張り込みを行ってもらうのもいいかもしれない。
張り込み中、車の窓を開けておいてもらえば音の変化にも気づけなくはないので、デメリットは少ないはずである。

上記をF様とA様にお願いしたとして、だ。
私自身は、なにをするか……。

この場所の立地的な観点から、張り込み中に目を配らなければならない範囲は広大である。
F様とA様の二人分の目をもってしても、死角が生じてしまうのは避けられない。
私がそれをカバーしながら、草むらの際を捜し歩くという方法が無難ではあるだろう。

だが、しかし。
キジ白猫様と茶色猫様が姿を見せなくなってから、短くはない時間がすでに経過している。
その事実を鑑みれば、今はもう草むらの向こうのフェンスを越え、住宅街に移動しているかもしれない。
どこか身の安全を図れる場所(たとえば大きな敷地を有するお宅の納屋など)で、すでに休息している可能性もあるわけだ。

そうなると、この場所でただ歩き回っているだけでは、キジ白猫様の姿を目視できる確率は低い。
私が住宅街に赴き、一軒一軒のお宅を訪問しながら、家主様の許可を得た上で敷地内の捜索を行う必要がでてくる。

しかも、である。
その方法を実践するならば、最低限、当該キジ白猫様の写真と私の連絡先(もしくは、男性の連絡先)を印刷したチラシを用意するべきだろう。
家主様が当該キジ白猫様の姿を見たことがあるか、もしくは今後に見かけた際に見間違えを防げるし、すぐに連絡を頂きたいがためでもある。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉