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サービスエリアの空の下 118

Hさん宅のご婦人に教わった、いつでも沢山のキャットフードを庭に置いているご近所さん巡りを始めてから、およそ一時間近くが経過した。
どのお宅にも、家主家族の誰かが滞在していたので、時間の無駄なく聞き込みを行うことができたのは幸いだった。
一軒一軒を訪問する度に、Hさん宅のご婦人に投げた質問と同じ、

・敷地内にて、今までにキジ白猫様を見かけたことがあるか
・見かけたことがあるのだとしたら、キジ白猫様はどの場所で、なにをしていたのか
・近所に生息する野良猫様は何匹ほどいるのか

などを、私は訊ねた。
どなたの返答も似通っていて、しかも大方の予想道りであった。
Hさん宅のご婦人が述べていたように、三匹の白黒猫様・一匹の茶トラ猫様・一匹のキジトラ猫様はちょくちょく目撃されているらしい。
Hさん宅と畑を隔てている壁の上にいた黒猫様と、首輪付きのキジ白猫様の目撃談も、難なく収集できた。
合計七匹の猫様はどうやら、この近所でのんびりと暮らしている模様である。

以上の聞き込みの結果、捜索優先順位の最終判断を私は下した。
ほかの猫様も棲息している可能性は考えられるが、現時点ではやはり、この場所での捜索優先順位は低い。
私が捜しているキジ白猫様は、サービスエリア内にて保護を目指すべきだ。

停めてある車に戻りながら、私はスマフォのチェックをした。
男性からも、F様・A様からも、着信はない。
サービスエリア内では、特段の動きがないようだ。
だとするならば、私の方から彼らに電話を入れる必要はないだろう。

私は車に乗り込み、エンジンをかけた。
そこでふと、ある存在を思い出す。
すでに保護済みの白猫様やキジ白猫様と私を導き合わせるなど、重要な局面で必ず現れている茶色猫様のことだ。

この近辺で目撃されているキジ白猫様が、私たちが保護しようとしているキジ白猫様とべつである可能性が極めて高いのは、先に述べた通りである。
それにしたって、だ。
Hさん宅でもご近所さんでも、当該茶色猫様の話は、一切出てこなかった。

過去ブログでも綴っているが、茶色猫様は首輪を装着している。
誰かに飼われている猫様であろう。
そうなると、おそらくは、サービスエリア内とこちらの住宅街を行ったり来たりしているはずなのだ。

にもかかわらず、目撃談の一つも上がってこないのは、なぜだろう……。

もう少しエリアを広げて、茶色猫様の動きを確認するべきかどうか、私は迷った。
そうしているうちに、キジ白猫様の情報も収集できるかもしれないからだ。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉