新着情報

サービスエリアの空の下 35

夜はこれから深くなる時間帯なので、揚げ物類などのエサを白猫に与える人間は限りなく少なくなるだろう。
仮にそれをする人間が現れても、あらかじめ見張っていて注意すればいい。
そうすれば、白猫様はお腹を満たすことはできない。

ならば、白猫様のつぎの行動はなにか……。
おそらくは、さらにべつの場所へ移動し、エサを探すであろう。
草むらから離れたこちら側で張り込みをしていれば、白猫様が出てきたのは分かる。
逆に、白猫様が草むらのこちら側に姿を見せないのであれば、フェンス側に向かった可能性が考えられる。

過去ブログで度々述べている通り、私自身が草むらの奥に足を踏み入れられない状況であるが故、フェンスの向こうに白猫様が向かったかどうかを目視する術はない。
白猫様が本当にフェンスの向こう側に移動していて、そちらでエサを調達できているとしたら、今度はその周辺に重点を置き、保護作業を行えばいい。

とにかく、限られた人数(私と男性の二人)で保護作業を行うには、優先順位をつけることが必要だ。
時間がかかるかもしれないが、一つ一つの可能性を地道に潰していくことが、結局は近道になることを私は男性に説明した。

「仰る通りですね。自分は、ついつい焦ってしまう……」
「それはまあ、致し方ないことですよ」

きまりが悪そうな顔で頷いた男性が、ふと思いついたように聞いてきた。

「フェンスの向こう側に行ってもエサにありつけなかったら……白猫はどういう行動をとるのでしょうかね?」
「引き続き我慢し続けるか、やっぱり捕獲器の中のエサを求めに戻ってくるのではないでしょうか」
「あ、そうか!」

私の意図をようやく理解したらしく、男性の目が開かれた。

「つまりは、どうしてもエサにありつきたい状態を意図的に作るために、捕獲器の入り口のフラップを、わざと入りにくい方向に設置したわけですね?」
「まあ、そういうことです。草むらにあの子が戻ってきた時にお腹が空いてどうしようもない状態で、尚且つ、フラップの入り口が入りやすい方向に設置したわけです」

とはいえ、白猫様は自由意志を持つ生き物である。
よって、この方法を用いれば、絶対に白猫様が捕獲器に入ってくれると断言はできない。

それでも、だ。
捕獲器の中に入ってくれる可能性を少しでも高める努力を怠ってはならないし、そのためにできることに考えを巡らせ、実施することが重要だ。
私はスマフォのタイマー機能を2時間後に設定し、男性を促した。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉