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サービスエリアの空の下 94

あれこれと考えを巡らせた結果、私は男性に告げた。

「やはり、草むらを広く見渡せる位置で、張り込みに近い形の捜索を継続してもらいたいと思います」
「了解しました。同時に、サービスエリアを訪れる人々から、キジ白猫や茶色猫がエサをもらうのを阻止します」
「お願いします。あとは、サービスエリアに出入りする車に二匹が轢かれないよう、注視しておいてください」
「気をつけて見ておきます!」

間もなくして、私たち二人は、捕獲器を設置している場所に近づいた。
男性がそちらに目を向けながら、私にいう。

「近くを通ったついでです。もう一度、捕獲器の様子を確認しますか?」
「そうですね……」

男性と二人で草むらの中を歩き回っていたとはいえ、先ほど捕獲器の設置をし直してから、さして時間が経っていない。
それを考えると、捕獲器に近づくのはまだ早いような気がする。
私のその意見を聞いた男性はいった。

「それもそうですね。じゃあ、止めておきましょう」

そんなこんなで、私たち二人は草むらの中から外に出た。
結局、草むらの中にいる間、鈴音は一度も聞こえてこなかった。
案の定、男性はそのことを気にしているようだ。

「めっきり、鈴音の音が聞こえてきませんね。どうしたことでしょう……」

過去ブログ『サービスエリアの空の下 88』で書いたように、金髪男が自分の”勘”について話していた際、私にだけ鈴音が聞こえてきたことは黙っておくことにした。
鈴音を聞かせてくれているのが”シロ”くんだと思い込んでいる男性を、不必要に落ち込ませたくはなかったからである。

「まあ……元々、鈴音が聞こえてくるタイミングは、まちまちですからね。私たちに鈴音を聞かせる必要がある”その時”がくれば、また聞こえてくるのではないでしょうか」
「そうだといいのですが……」
「なんにせよ、です。例の如く、なにか動きがあれば直ぐに電話をください」
「はい」
「では……」

いって私が休憩に向かおうとすると、男性がこぼした。

「そういえば……金髪の彼は、まだ喫煙所にいるのかなあ」
「……なにか、用事でも?」
「いやあ、これといって用事があるわけではないですけどね。なんとなく気になったもので……」

金髪男と、”シロ”くんに関する話をもっとしたいのか。
はたまた、心霊現象や鈴音についてもっと深く訊ねたいのか。
いずれにせよ、休憩に入った後、男性が集中して張り込みを行ってくれれば私は構わない。
だが、張り込み以外のことに意識を奪われてしまわなければいいな、と思うばかりである。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉