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サービスエリアの空の下 95

私は念のため、男性にくぎを刺した。

「鈴音が”シロ”くんの仕業だと信じたいお気持ちは分かりますが……今、第一優先で気にかけて頂きたいのは、キジ白猫様の無事保護へ向けての張り込み作業です」
「……」

私に本音を触られて、男性は言葉を見失っている。
それをフォローしようと、私は続けた。

「金髪男がまだ喫煙所にいるかどうかは分かりませんが、休憩に行きがてら、見てきますよ。ついでに、もう一度、こちらに来てもらえるように頼んでおきましょうか?」
「……」

逡巡している男性の返事を待つのは、時間を要しそうだ。
ならばその気持ちを汲み取って、私はいった。

「まあ、金髪男がまだいるかは定かではありませんが、いたら、とりあえず声かけをしておきますね。それでは、休憩を頂きます」
「……いってらっしゃい。ごゆっくり」

私は笑みで返し、男性に背を向けた。
約束した通り、そのまま喫煙所を目指す。

ところが……というか、案に違わず、喫煙所に金髪男の姿はもうなかった。
連れの四人のドライバーの姿もなく、喫煙所は空っぽだ。

金髪男が来るかどうか気にして待っているであろう男性に、私は電話をかけた。

「金髪男、喫煙所にはもういませんでした。連れの四人の姿もないところを見ると、もう出発したのかも分かりません」
「……そうですか。わざわざ、ご連絡ありがとうございます」

明らかに気落ちしている男性に、私は付け足した。

「もしかしたら、フードコート内にいるのかもしれないので、彼らを見かけたら、一応、声をかけておきますね」
「ああ、でも……しっかりと休憩を取ってください」
「それは、それ。これは、これです。では」

通話を終えた私は、先ず、トイレに向かった。
それとなく中を見回ったが、金髪男たちはいない。

その後、フードコート内に入る。
ただ、金髪男たちは喫煙所に入る前には、フードコート内にいた。
ということは、すでに食事を終えている可能性が高いので、彼らを見つけることに期待はしていなかった。

少し歩いたものの、その予想通り、彼らの姿はない。
そのままここで食事を取って休憩しようと思ったが、ついでだ。
お土産などが売っているエリアにも足を延ばすことにした。

そのエリアはコンビニが併設しているからだろうか、私が思っていたよりも、人がごった返していた。
とはいえ、金髪男たちがいるならば、その風貌は目立つ。
見間違いする可能性は低いはずだし、彼らの話し声や笑い声は大きい。

私は耳と目に意識を集中し、金髪男たちの姿を見つけようと、ゆっくり歩いた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉