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サービスエリアの空の下 96

うーむ……。

お土産などが売っているエリアにもコンビニエリアにも、金髪男たちはいなかった。
こうなるともう、彼らは自分たちの車に戻ったと考えるのが自然だろう。
私は自動ドアをくぐって、外へ出た。

そうして、彼らが車を駐車していた場所に目をやると、見覚えがある金髪を遠くに見つけた。
傍には四人の仲間もいて、自分たちの車に向かってダラダラと歩いている。
このまま出発するのは間違いなさそうだ。

私はもう一度、男性に電話をかけた。

「金髪男、いましたよ」
「どこに、ですか?」
「自分たちの車付近に、です」
「ああ……」
「声かけするなら、急いだほうが良さそうですよ」
「……でも……」

男性が迷っているのは、張り込み中だから、という理由であろう。
それを見越していた私はすでに小走りをしていて、男性が張り込みをしている地点に急いでいた。

「みすみす後悔するのは、おすすめできません。金髪男の連絡先を知らない以上、この機を逃したら、もう一度会える可能性は極めて低いでしょう」
「まあ、そうですけど……」
「ご心配なく。もうすぐ、そちらに到着します」
「え……」
「私が張り込みを代わりますから、金髪男の元に行ってください」
「でも……」
「私の休憩はその後で構いませんから。それよりも、金髪男に聞きたいことがあるのでしょう? ”シロ”くんのことで」
「ああ……はい……」
「だったら、急いでください。彼ら、出発してしまいますよ!」
「……分かりました。ありがとうございます!」

その時にはすでに、私は男性の近くに迫っていた。
私の気配に気づき、男性が振り返る。

「彼らがいるのは、あそこです」

金髪男たちが車を駐車している場所を指さしながら私がいうと、男性は途端に駆け出した。

「すみません! 行ってきます!」

走る背中を見送りながら、私は呼吸を整えた。

おそらく、男性は間に合うだろう。
金髪男になにを聞きたいのか具体的には分からないが、男性には悔いのないように話をしてもらえたらと思う。
私は張り込みに集中することにした。

あらためて景色を眺めると、草むらの敷地面積は広い。
それに加え、太陽が空高く昇っていくのに伴い、このサービスエリアを行き交う人々も確実に増えている。
そのせいで、駐車している車の数も多い故、どうしても死角が多くなった。
そうなると、一か所に留まり続けての張り込みは賢い選択といえない。
私は死角を順番に補うように、短い移動を繰り返しながら張り込みをすることにした。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉