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サービスエリアの空の下 97

男性が金髪男の元へ走って行ってから、かれこれ30分ほどが経過した。
張り込み中なのでいちいち振り返って確認していないが、男性は未だこちらに戻ってこない上、電話連絡もないところをみると、金髪男たちが出発する前に、無事コンタクトを取れたのだろう。
せっかくなので、心行くまで”シロ”くんに関する話をしてもらいたいものだ。

さておき。
張り込みは継続中であるが、依然として進展はなかった。
キジ白猫様や茶色猫様は、相変わらず姿を見せてはくれない。
捕獲器のフラップが閉まった音もしないし、鈴音も聞こえてこない。
この分だと、どこか安全な場所ですでに昼寝でもしている可能性が考えられ、無事保護まで長くなりそうだ。

長い、といえば。
私の車の中にいる、保護済みの白猫様やキジ白猫様の様子が気になった。
男性が戻ってきたら張り込みを交代してもらい、休憩に入る前に一度、様子確認をしておこうと思う。
二匹の様子によっては、このまま車の中に居てもらい続けるのは考えものだ。
場合によっては、男性宅に連れて行ってもらう方がいいだろう。
念のため、動物病院での診察も受けてもらいたいところだ。

いずれにせよ、男性の戻りを待つほかない。
そう思っていると、背後に人が近づいてくる気配を感じた。
振り返って確認しようとする前に、声が飛んでくる。

「すみません! だいぶお待たせしちゃって」

この目で確認するまでもなく、男性だと分かった。
間を置かず、男性は私の前方に回り込んで、重ねて詫びてくる。

「すみません……遅くなりました」
「どうやら、金髪男と話せたようですね」
「はい。聞きたいことを、一通り」
「よかったですね」
「はい!」

どこか晴れやかな雰囲気を醸し出している男性を見れば、金髪男との会話に悔いを残してはいないだろうと察しがついた。
本当によかった、と心底思っている私に、男性はいった。

「彼と話した内容を伝えたいのは山々なのですが……いい加減、お宅さんには休憩を取ってもらいたいので、また後程にさせて頂きます」
「構いませんよ」
「じゃあ、どうぞ休憩を」
「その前に、車の中の二匹の様子を見てきます」
「あ、そうですね。お願いします」
「二匹の様子に変化がなければ、そのまま休憩に入らせてもらいますね」
「そうしてください」
「けれど、二匹の様子如何では、先に自宅への搬送をお願いするかもしれませんし、場合によっては、そのまま動物病院に向かってもらうかもしれません」
「分かりました。お宅さんの休憩がまた先延ばしになってしまいますが……必要とあらば、その時はそうします」
「では、様子見に行ってきますね」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉