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昨今のペット飼育事情について 〜犬様のお散歩にまつわる事〜8

「今度は、散歩中に犬様が立ち止まったりする件について、K様のご意見を頂戴願います」
「犬が立ち止まる要因が休憩の意味合いを含んでいるのであれば当然ですが、それ以外でも、ボク自身もいちいち一緒に立ち止まってしゃがみ込んだります」
「においを嗅ぎながら気になった対象に向かってしまう場合と同様、犬様が立ち止まりたい『自由』の尊重ですね」
「はい。『どうした? なにか見つけたのかい?』って問いかけたりします。理由があって立ち止まるのですから、それがポジティブな興味などからくるものなのか、恐怖などのネガティブからくるものなのか分かってあげて、適切な対処をしてあげたいので」

分かってあげたいという気持ちを抱くのは、ペット様と暮らしている飼い主様すべての願いであるだろう。
ペット様の元気がなかったりする時は、特に切望の度合いが増す事は想像に難くない。

その際に人間側が注意しなければいけないのは、決めつけや思い込みだ。
生活環境・食事内容・様々な要求に対しペット様が思っている事を見当違いして、もしくは人間側に都合のいい解釈を盾にして、「〜なのね」「〜でしょ」と一方的に結論付けてしまった経験は誰にでもあるはずだ。
かくいう私だって、無知な時代にペット様と暮らした過去を内省すれば、そういった振る舞いがゼロだったとは言い切れない。

「ボクも同じですよ。だからこそ、ドッグトレーナーとしての今があるんです。自分のペットではない分、お預かりしたペットに対してはより真摯に向き合うし、気に掛けるし、分かろうとする努力を惜しみません。メビー・ラックさんもそうでしょう?」

それは本当だ。
過保護にしすぎるわけではないが、お世話のパートナーをつとめさせて頂くペット様には、それ相応の態度で向き合う。
一見すると、『向き合うだけなら簡単だ』と思われる節があるかもしれない。

だが、殺人的な速さで時が過ぎて行く現代では、実はそれこそが難しい。
ペット様と向き合うには、疑う余地なく、忍耐と時間と心のゆとりを要するからだ。

なので私は、日々忙しく暮らしておられるであろう飼い主様方を、ペット様に寄せる愛情が軽薄だと非難するつもりは毛頭ない。
むしろ、『ちゃんと向き合ってあげられていないダメな飼い主だ』という、そのやさしき心を責める事態を危惧している。
そのような飼い主様は、行く末、自己卑下を繰り返してしまうからだ。

そんな心理状態でいると、飼い主様から不変の愛を教えてもらったペット様はなにを想うか……。
一日も絶やす事なく、ペット様から無垢の愛を捧げてもらっている飼い主様なら、言わずもがな、分かってあげられるはずだ。

だからこそ。
飼い主様方には、どうかご自分とペット様の中に咲いている愛を信じて、ご自愛頂きたいと思う。
どんなご自分でも、ペット様は、そんな飼い主様を愛しているのだから。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉