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昨今のペット飼育事情について 〜犬様のお散歩にまつわる事〜74

「飼い主の中には、涼しくなったこの時季には”ノミ”類や”ダニ”類の心配はもうない、と思っている方がいます。ですが、その認識は間違っています」

K様のご指摘は、その通りである。
”ノミ”類と”ダニ”類の生態を知ればご納得頂けると思うので、簡単にそれに触れておく。

先ずは”ダニ”類について。
”ダニ”類の成虫が活発になるのは、確かに春や夏頃である。
けれども、それ以降のこの時季にも寄生されるリスクが減るわけでないので、継続的なに注意が必要だ。
秋には、幼ダニや若ダニが多く発生するからである。
しかも、それらは小さすぎて、肉眼での確認が難しい。

とりわけ、森林・草むら・茂み・河原・緑豊富な公園などに行く際は要注意だ。
それらの場所に生息している”マダニ”類は感染症を媒介することもあるので、犬様のお散歩中、そういった場所にやたらと踏み入らないよう充分に気をつけて頂きたい。
安全面を考えれば最近は少なくなったと信じたいが、未だに猫様を自由外出させている飼い主様も例外ではないことを、合わせて述べておく。

「”マダニ”類は現在、世界中に800種類以上いるといわれています。そのうち10数種類が日本で生息確認されているわけですが、驚くべきはその適応能力です。あらゆる気候・環境であろうが生息できるので、日本でいえば、ほぼ全国的に注意が必要です」

K様の言葉に、私は続けた。

「”マダニ”類が怖いのは、犬様・猫様に限らず、私たち人間や野生動物全般にも寄生する点ですよね」
「仰る通りです。”マダニ”類は吸血と唾液の分泌によって、様々な病原体を媒介します。吸血による貧血や皮膚炎はさることながら、その中には、最悪の場合、命を脅かす危険を伴うものもあります」

”マダニ”類の吸血の仕組みを、ご参考までに記しておくと。
寄生した”マダニ”類は先ず、”鋏角”と呼ばれる、くちばしにあたる部分で動物の皮膚と皮下組織を切開する。
その傷口を開いたままにする目的で、”口下片”と呼ばれるギザギザの歯を差し込み、接着剤の働きをする物質を注入するという。
そうして、くちばし部分を傷口に固定し吸血を始めるので、一度寄生されると簡単に取り除けない。
また、”マダニ”類の吸血は数日間に及ぶことがあり、吸血前と比べて、吸血後のその体重は200倍近くに増えることもあるそうだ。

K様が付け加えた。

「”マダニ”類は、寄生した動物の血液中の栄養素を濃縮して吸血し、代わりに、抗血液凝固や抗炎症活性がある唾液を大量の水分と共に吐き戻します。それが繰り返されるうちに、吸血箇所の周囲の細胞はやがて溶解や壊死をしてしまうわけですが、そうなる時こそ、病原体が媒介されるリスクが高まるといわれています」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉