猫様にとって有害植物となり得る代表的なものには、過去ブログ『無知の危険 2』や『無知の危険 3』で取り上げた植物類のほかに、ナス科の植物も挙げられる。
・ナス
・トマト
・ジャガイモ
・ピーマン
・ベラドンナ
・ホオズキ
これらナス科の植物に含まれる”ソラニン”という物質は中枢神経系に作用する毒性を持っているらしく、猫様が経口摂取してしまうと溶血作用を示し、つぎのような症状などを引き起こしてしまう危険が指摘されている。
・嘔吐
・下痢
・発熱
・食欲減退
・呼吸困難
・心拍数の異常
・血圧上昇及び低下
・胃腸障害
・痙攣
上記に書いたような症状などが悪化すると、最悪の場合はお亡くなりになってしまうので断じて油断は出来ない。
中毒症状を引き起こす原因となる成分である”ソラニン”という物質は水溶性のため、流水などにさらすと水に溶け出す性質を持つ。
だがしかし、反対に、熱には比較的安定を保つ物質らしいので、加熱したからといって有害性が少なくなるものではないというから要注意である。
ちなみに。
”ソラニン”の中毒症状は、私たち人間にも起こり得る。
とりわけ、ジャガイモの収穫期になると頻発するという。
というのも、ジャガイモの場合、芽の部分に”ソラニン”が多く含まれているからで、その処理方法を誤って中毒症状を起こしてしまう人が増加するのがジャガイモの収穫期と重なるらしい。
買ってきたジャガイモの保存方法に失敗して芽が出てしまった、という有様を当ブログ読者の方々も一度は経験したことがあるだろうが、前述した通り、ジャガイモの芽には中毒症状を引き起こす”ソラニン”が多く含まれているので、しっかりと取り除くようにして頂ければと思う。
では、どれくらいの量の”ソラニン”を口にすると危険なのか――
一説によると、成人が中毒症状を引き起こしてしまう量は約200~400mgで、小児の場合は、その約10分の1程度である20~40mgが上限だと推定されている。
それを鑑みると、私たち人間よりも体の小さな猫様が”ソラニン”を大量摂取してしまえばどうなってしまうのか……その危険性は想像に難くないであろう。
いわずもがな、猫様の体質・体調・年齢によって個体差が生じるので、一概には限度量を定められない。
かといって、だ。
”ソラニン”の大量摂取は猫様の健康を脅かす危険性があるといわれているので、とにもかくにも、ナス科の植物類を猫様が大量摂取しないように、飼い主様方には気をつけて頂きたい。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉