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運命の出会い 2

しかしながら??

R様のペット様は、無念にも、R様の家に迎え入れられてから二か月弱、生後半年を待たずに他界してしまいました。
せめてものもご供養にと花を手向けに伺わせて頂いた時のことは、私の中で忘れられない出来事となりました。

それから間もないある日。
私は別の用事があって、某デパート内に併設されたペットショップの脇を通りかかりました。
そのペットショップは、R様がペット様をご購入なさったペットショップとは別のお店です。
ですが。
私は正直、R様のペット様のことがあってから余計に、生体販売で利益を稼ぐペットショップに対して良い印象を持てずにいたのです。

そんな心境で歩いている最中、

「うん。うん。実はですね〜」

と、甲高い耳障りな女性の声が、私の耳をつんざきました。
声の方に目を向けると、声の主はペットショップの店員でした。
一組のカップル様に講釈を垂れるその声に生理的な不快感を覚えつつも、私の意識は、彼らの会話内容を漏らさずに捉えました。

やがて店員は、一匹の子猫様を抱きながら笑顔を弾ませているカップル様に、軽口の営業トークで畳み掛けました。

「その猫ちゃんはですね〜、一人を好む子なんですよ〜。鳴くことはほぼないですけど〜、めちゃくちゃ元気な子で〜。だから〜、エサを大量に置いておけば、長期間の留守番でもご近所迷惑にならないので〜、全然心配ないですよ〜。年中在宅している人よりも、この子はお二人に飼って頂いた方がむしろ幸せですよ〜。アタシには分かります〜。運命の出会いですよ、これは〜」

店員が無責任に吐き出した言葉に、私は恐ろしさすら覚えました。
エサだけじゃなくて水の用意も必須だと、なぜ説明を加えない!?
留守中の排泄物のお掃除について、なぜ注意喚起をしない!?
そもそも、長期間の留守番は全然心配ないと言うが、どんな正当性と根拠があって言っている!?

瞬時に沸き起こった不快感に身震いを抑えきれなかった私をよそに、カップル様は純粋な目で、店員に質問を投げました。

「初めて猫を飼うから分からないんですけど……。猫とは、どうやって遊んであげればいいんですかね?」

得意になった店員は、いかにもの作り笑顔で答えました。

「この子はですね〜、基本的には、放っておいても大丈夫な性格なんですよ〜。みんながみんな同じではないですけど〜、お世話担当の私が見てる限り、この子は他の猫よりも、一人が遊びが上手なんで〜」
「そうなんですね。猫の性格の違いまで分かるなんて、さすがプロですね」
「まあ、仕事柄、たくさんの猫を見てきてますからね〜。ちなみに、遊びと言えば、こんな商品もありますよ〜。これ、猫を飼っているお客様から大好評なんです〜」

店員は待ってましたと言わんばかりに、棚から猫様用オモチャを持ってきてカップル様に勧めました。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉