新着情報

飼い猫様の窃盗 13

この周辺は、迷子猫様の捜索中に歩き回っているおかげで、立地は頭に叩き込まれています。

そのアドバンテージを活かし、男たちから姿を見られない位置まで来たことを確認してから、私は走り出しました。
一つ目の十字路を左折した先にある駐車場前に自動販売機があるので、そこを目指したのです。

その自動販売機でお茶を二つ購入し、すかさず、来た道を戻りました。

ですが今度は、十字路を右折せずに直進しました。
そして、そこから三つめの十字路を右折し直進すると、やがてクランクとなるので、道なりに進みます。
その道の先は公園の一角になっているのですが、そこからは車両の侵入ができない作りで、階段伝いの遊歩道となっています。

私は忍ぶようにしてその階段を駆け下り、公園内に入りました。
そのまま男たちが停めているバンが見える位置まで進み、木の陰で息を殺しました。
この場所からは、キジトラ猫様が先ほど入って行った生垣周辺も視界に入ります。

私は早速、男たちの姿を探しました。
バンの近くには、タバコを吸っているらしき大柄な男の姿を確認できました。
バンのエンジンは切られているようです。

やせ細った男の方は、バンの周辺にはいません。
公園内に視線を移しましたが、見える範囲にはいないようです。

ひょっとして、残された捕獲器の回収に向かったのかもしれない……。
もし、それがこの近くだったら……。

そう思った私の緊張感は、否が応でも高まりました。
立ち去ったはずの私が、公園内に潜んでいることがバレた場合、今度こそタダで見逃してくれるとは思えません。

結果、私の身に危険が及ぶことは自業自得とはいえ、迷子猫様捜索の継続が難しくなってしまえば、入院中の飼い主様のことがより心配です。
男たちによって、すでに捕らわれてしまっている猫様たちがどうなってしまうのかも、気がかりです。

こうなると、やせ細った男の姿を確認するまでは、むやみに動き回るのは得策ではなさそうなので、私は一先ず、じっと観察することに決めました。
それと並行して、男たちが設置しているであろう捕獲器に、さっきのキジトラ猫様が入らないように祈りました。

私はつぎに、液晶の明かりが漏れないように注意しながらポケットの中でスマフォの画面をいじり、動画撮影がいつでもできる状態であるか、再確認しました。
やせ細った男が捕獲器を回収している姿を撮影し、いざとなったらその動画を証拠として、男たちを追及しようと思ったからです。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉