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飼い猫様の窃盗 81

フランクさを醸し出しながら話しかけた私の顔を見て、男は目を丸くしました。

「あれ!? 何してるんだよ? びっくりした!」

こちらとしても、同じ思いでした。
男の正体は、つい先日知り合った、遊歩道でエサやリをしている例の男性だったからです。

「まさか、こんな時間に、この場所でお会いするとは思いませんでした」
「オレもだよ。で、何してたのよ?」
「あのですね……」

目の前で相変わらずくつろいでいるキジ白猫様を追って、茂みの中を通ってきたことを私は話しました。
S君を目撃したことは、すでに伝えていたので、エサやリ男性は納得の表情でいいました。

「そっか。いやさ、夕方に電話もらった時、昨夜この公園で見かけたって、いってたじゃん?」

エサやリ男性は、私が渡した、S君の捜索用チラシをポケットから取り出しました。
ありがたいことに、もしもS君を見かけた時用にと、持ち歩いてくれていたようです。

「それに、ほら。猫が虐待されてるかもっていう”噂”の真相が気になっちゃってさ。この公園でエサやリしてる人を見つければ、何か情報が手に入るかなとも思って、うろうろしてたわけよ。そしたら、このキジ白猫を見かけてさ。今までに、近所で見たことない猫だったから、近寄って確認しようと思ったのよ」
「そこへ、私が急に現れたわけですね」
「そう! まさか、茂みの中から、いきなり人が出てくると思わないから驚いたわ、マジで!」
「ですよね……すみません」
「まあ、もういいけどね。それにしても、このキジ白猫、人懐こいなあ。”噂”が本当なら、すぐに拉致されそうだ。気をつけろよ、オマエ」

穢れのない目で心配しながらキジ白猫様を撫でるエサやリ男性の姿を見て、私は事実を話そうと決めました。

「実はですね……」

目の前にいるキジ白猫様が怪しげな男たちに捕獲されていたことと、それを私が解放したことを告げると、エサやリ男性は、再び驚きの声をあげました。

「マジで!?」
「はい」
「……って、ちょっと待てよ。ということは、”噂”は本当のことだってこと!?」
「断言はできませんが……状況から鑑みて、可能性は高いと思います。目的は分かりませんが、怪しげな男たちが猫様たちを乱獲していたのは、この目で確かに見ましたから。証拠の写真や動画も撮ってあります」
「じゃあ、何で、オレに隠してたのよ? その男たちのこと」
「それはですね……。猫様好きが故に、もしかしたら、男たちを捜そうとなさるかもしれない、と思いまして……」
「まあ確かに、その予想は、外れてはなかったわけだけど……」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉