新着情報

「はじめまして」が繋ぐもの 13

連れ帰る足で寄った動物病院での診断は以下だった。

・推定年齢 16歳
・体重 8.6?
・脈拍 56
・呼吸数 42
・体温 39.5度
・心機能低下(僧帽弁閉鎖不全症)
・肛門周囲腺腫
・片側潜在精巣
・膵臓のエコーレベル低下

動物病院を出て直ぐ、女性が言った。

「で、名前はどうします?」

代表の方も続く。

「確かに、飼い主さんが見つかるまでとはいえ、ずっとシニア犬呼ばわりじゃあ、なんだかねえ……」
「ですよね。どうしようかなあ」

私が考えていると、動物病院の駐車場に見慣れた車が入ってきた。
彼だ。
夜勤明けで駆け付けたにも関わらず、すこぶる元気な声でシニア犬に駆け寄る。

「おー! 元気にしてたか迷子犬! てか、『はじめまして』だな、オレとは」

がしがしとシニア犬の頭を撫でる彼に診断結果を伝え、名前の件を相談した。

「それはお前が考えろ。だって、お前がこの迷子犬と出逢った最初の人間なんだから」
「そうですよ。名付け親になってあげるべきです」
「だねえ」
「はい……」

ああでもないこうでもないと悩む内に、ふと、施設での再会シーンが蘇った。

「あ、そっか!」

私のひらめきに、三人とシニア犬が目線をよこした。

「『ライク』って名前はどうかなあ?」

女性が真っ先に声を弾ませた。

「呼ばれる度に『好き』って言われるなんて、いい名前ですね!」

彼も代表の方も、意義はない様子だ。
決まりだ!

「今日から私達と過ごす間、キミの名前は『ライク』だ。よろしくね」
≪よろしくね≫

伝わった!
ライクがポケッと頷く鳴き声に、私達は願った。
ライクが今も明日もLucky Lifeを送れますようにと。
そして誓った。
ライクのLucky Lifeを今も明日も守って支えていく事を。

DSC00646

こうして、私達とライクの物語は今日も続いています。
ライクと出逢ってから月日は流れ、今年の八月三日でちょうど一年を迎えます。
ライクが繋いだ『はじめまして』は、私達にたくさんの経験を与えてくれました。
そんな必然の縁に導かれた私達はライクを店長に迎え『メビー・ラック』を設立し、たくさんの飼い主様とペット様の物語に寄り添わせて頂いております。
決してうれしいやたのしいばかりではありません。
介護パートナーとして伺わせて頂いたペット様の旅立ちに涙を流す日々もあります。
それでもあの日ライクに誓い願ったLucky Lifeをモットーに、私達は歩き続けています。
飼い主様とペット様の物語がLucky Lifeで彩られて欲しいという願いもまた、ライクに教わった大切な事の一つですので。

私達は今もライクの飼い主様を捜しております。
ですが、未だに飼い主様は見つかっておりません。
にもかかわらず、残念ながらライクが抱える疾患は出逢いの時よりも増えて悪化するばかりです。
ライクの現状を正直に申し上げますと、最近ではせっかく増えた体重も下降を辿り、発作が起きる感覚が短くなってきて苦しそうな日が続いております。
薬も効かなくなってきています。
もはや余命宣告を渡された日はとうに過ぎております。
いくつかの動物病院に伺っても、もはや手の施しようがない現状です。
それでもライクは幾つかの奇跡を掴み、今を生きています。

ライクのLucky Lifeの為に私達が出来る事は何か……。
ぐるぐるに考えを巡らせて迷う夜、朝になって行き着く先はやはりライクに教わった事なのです。
あの日、迷子になって疲れ果てても歩き続け、飼い主様を信じ続けるライクの姿に私達は生きる意味を問われました。
そして、どう生きるかを気づかされました。
だからこそ悲しみや恐れが襲ってきても、ふてくされず、目をそらさず、ライクの全てを受け入れながら今を生きています。

僭越ながら、このブログを読んで頂いている皆様にお願いがございます。
どうかご協力願えるのならば、本ブログ(今後も随時追加致します)の拡散をお願い致します。
又、ライクの飼い主様に繋がる情報をお持ちの方は本ブログのコメント欄に投稿願います。
尚、ライクがどこからやってきてどこへ向かおうとしていたのかは不明のままなので、現時点では思い込みを防ぐ為にもあえてライクが彷徨っていた場所の特定は致しません。
情報が届き次第、プライバシー保護をしつつ本ブログに掲載させて頂き、皆様との情報共有をはかっていく所存です。
ライクの今を飼い主様の今に繋いであげられるように、皆様の御力をお貸し頂ければ幸いです。

もう一つ。
本ブログのコメント欄、代表のTwitterFacebookインスタグラム
及び手紙(〒181-0013 東京都三鷹市下連雀4-1-11三幸ビル4F 宛先メビー・ラック)、
どのカタチでも構いませんのでライクへのメッセージを頂けたらと存じます。
ライクは嫌われて捨てられたんじゃないと信じておりますが、それでもやはり、一人でも多くの人に孤独を体験したライクに『好き』だと言ってもらいたいのです。
『ライク』、この一言だけで構いません。
どうぞメッセージをよろしくお願い致します。

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉