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『エキノコックス症』 下

過去ブログ”『エキノコックス症』 上”で書いた通り、『エキノコックス症』の主な流行地域は北海道であり、それ以外の地域での多包条虫による感染例は1/10以下だという。

それにしても、である。
北海道以南に暮らす犬様に、北海道の固有寄生虫である”多包条虫”による”エキノコックス”が発見されたのは、なぜか――
考えられる可能性としていくつかあるわけだが……その前に、”エキノコックス”がどのようにして感染拡大していくかを知る必要があるだろう。

そもそも。
”エキノコックス”という寄生虫は、稀に猫様への感染も認められているが、主にキツネや犬様(ちなみに、犬様に感染した”エキノコックス”のみが、感染症法に基づく獣医師の届け出対象となっている)を終宿主としている。
そうして、野ネズミを中間宿主にしながら、生活環をどんどんと広げていくとされている。

では、私たち人間には、どのようなことが原因で感染してしまうかというと。
”エキノコックス”に感染したキツネや犬様の糞便で汚染された食物・水などを、なにかの拍子に飲み込むこんでしまうことで感染してしまうらしい。
ただし、人間から人間への感染はないとされる。

さて。
”北海道以南に暮らす犬様に、北海道の固有寄生虫である”多包条虫”による”エキノコックス”が発見されたのは、なぜか――”について話を戻すと。
一つの可能性として、都市化が進む近年では、キツネと人間との生活環境が隣接してきている問題が挙げられている。
それが原因で、キツネからの感染も疑われるようになっているそうだ。

また。
飼い主様の転勤や引っ越しなどで、犬様が北海道から移動することにより、他の地域へ”エキノコックス”が侵入している可能性も指摘されている。

最後に。
『エキノコックス症』の症状についても、簡単に触れておく。
”エキノコックス”は、私たち人間の体内に侵入すると、主に肝臓や肺に寄生して、やがては肝不全などの障害を引き起こす。
ただし、そういった症状が現れるのは、長いケースだと感染してから10年前後だというから厄介である。
そのため、発見や治療が遅れる場合があり、最悪、死に至ることもあるというから恐ろしい。
しかも、現段階では『エキノコックス症』に有効な治療薬はなく、感染部分を外科的に切除せざるを得ない場合もあるので、とにかく予防することが重要だ。

適切な予防法としては、

・キツネなどの野生動物との接触が考えられる野山から帰宅した際には、衣服・靴の泥・埃をなどを丁寧に払い落とし、入念な手洗い・うがいを行うこと
・”エキノコックス”に汚染された可能性が考えられる水・山菜・野草などの摂取を避けること

などが注意喚起されている。
”エキノコックス”の感染疑いがある犬様との接触後についても、適切な予防を心掛けるようにしたい。

とにもかくにも、だ。
不必要な感染拡大を防ぐためにも、お一人お一人が充分にお気をつけ願う。

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉