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その瞳に灯るもの 11

ペット様のクローン製造について様々な論争を巻き起こしている『スアム生命工学研究所』だが、その中でも見過ごせない一つとして、創始者であるファン・ウソク(黄禹錫)氏の経歴がある。

『スアム生命工学研究所』の創始者になる以前、同氏は元々、ソウル大学教授の職に就いていた。
同氏はその時代に、”世界レベルの研究者”・”韓国の英雄”などともてはやされる論文を発表した。

それはなにかというと、”ヒト胚性幹細胞(ES細胞)”に関する、2つの論文である。
『サイエンス(米の科学雑誌)』にて、2004年と2005年に発表されたそれは、ヒトの胚のクローンに世界で初めて成功したとして、科学界に衝撃を与えた。

しかしながら、である。
2005年末、”ヒト胚性幹細胞(ES細胞)”に関するそれら2つの論文が捏造であったことが発覚した。
さらには、過去に発表したクローン牛も捏造だったことが明るみになった。
こうして、2006年3月に、同氏はソウル大学教授の職を追われることとなった。

同氏はそのほかにも、

・研究費の横領罪
・実験に使うヒト卵子の売買による、生命倫理法違反

などの刑事事件にも問われることになる。

その結果、2014年には、韓国の最高裁判所によって、懲役1年6ヶ月・執行猶予2年の有罪判決が確定した。
論文捏造事件をはじめとする、こうした一連の不祥事を経て、同氏は『スアム生命工学研究所』の創始者となる。

そんな経歴を持つ同氏が、どうして同研究所を運営できているのか……。
それは、資金面での支援者がいるからだといわれている。
ただし、その多くは匿名を希望しているらしい。
堂々と名乗り出れない背徳心でもあるのだろうか、と勘ぐってしまう。

また、同研究所の運営資金獲得に大きく貢献しているのが、最愛のペット様を失って悲嘆に暮れる飼い主様方である。
同研究所の理念に賛同していようがいまいが、最愛のペット様の複製依頼で高額を支払うことは、結果的に、資金源の一つとなってしまう。
同研究所は、ペットロスに苦しむ飼い主様方の心理を巧みに利用し、ペット様のクローン製造で高額な金銭を得ることに成功しているわけだ。

もちろん、ペットロスに陥ってしまった飼い主様方が悪いわけではない。
至極当然に抱く感情である。

だが、ペットロスに苦しむ飼い主様方の中には、深刻なペットロスの悲嘆から逃れるために、何度も同じ種類のペット様を飼ってしまう”ペット反復症候群”に陥ってしまう人も一定数いるのが事実だ。
同研究所が行う、ペット様のクローン製造ビジネスはまさに、そのような飼い主様方の心をターゲットにしていることを忘れてはならない。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉