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その瞳に灯るもの 2

川畠成道さんは、幼い頃、薬物による副作用から”スティーブンス・ジョンソン症候群”を患い、それ以来、視力を失った人生を送ってきた人物だそうだ。
舞台中の紹介談によると、視力を失うという絶望の暗闇で生きる中、希望の光となったのがバイオリンだったという。

彼が奏でる音色には、その技術はさることながら、人間味が溢れ出ていた。
選曲された旋律が彩る音の声とはべつに、演奏者の心の声が確かに織り交ざり、陰と陽が混在したこれまでの彼の生き様を垣間見た気がした。

今ミュージカル脚本の原作者である、坪田一男さん(慶應義塾大学医学部眼科教室 教授)の講演も興味深かった。
彼は1980年に慶應義塾大学医学部を卒業後、日米の医師免許を取得した人物である。
1985年に渡米し、1987年にはハーバード大学フェローシップを修了。
そして、1990年に東京歯科大学眼科へ赴任し、新しいアイバンクシステムを導入した経歴を持つ。
そのおかげで、角膜移植件数は急伸し、日本屈指の角膜治療施設を実現した。
2004年より現職に就任した彼は、角膜移植・ドライアイ・屈折矯正手術の第一人者として注目を浴びている。

そんな彼だからこそ、講演での一言一言には、実に重みがあると感じた。
当日パンフレットに書かれている彼の言葉を借りると、

”日本のアイバンクをなんとかしたい! そんな思いから書いた本『アイバンクへの挑戦』がミュージカル『パパからもらった宝もの』です』

とある。

また、

”日本の眼科医療は世界でもトップクラスと自負いたします。しかし、ドナー不足により、角膜移植の手術を受けるには、長い期間待たなければなりません。近年ではアメリカのドナーの方の角膜を輸入して手術を行っている状況です。医療は日々進化していて、いずれ再生医療の技術で、ドナーによる移植は必要なくなるでしょう。ミュージカルにVTR出演いただいている京都大学の山中伸弥先生が2012年にiPS細胞研究でノーベル生理学医学賞を受賞されてから、再生医療研究が加速度的に進められています。アイバンクの角膜が必要なくなる日も近いはずです。それまではもうしばらくの間、みんなの助け合いが必要です。もちろん、移植をする、しないも自由。ドナーとして提供する、しないも自由です。大切なことは、意思をもってそれを家族に伝えることです。その意思が尊重される社会であることが公平な社会と考えます。多くの人に意思表示のチャンスがあることを知っていただければと思います”

と仰っている。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉