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たとえ離れていても 15

ぼくの話に納得して頂いた旦那様は、わずかながら落ち着きを取り戻し、その後のヒアリングに応じてくれた。
それによって分かったことの一例は以下の通りである。

Mちゃんが逸走したことにW様ご夫婦が気づいたのは、五日前の21時頃だという。

W様ご夫婦は共働きの二人暮らしで、その日の朝7時半に旦那様が、同8時に奥様が出勤。
先に仕事からご帰宅したのが奥様で、時間は19時40分頃。
続いて、20時半頃に旦那様がご帰宅。
どちらも、ご帰宅後直ぐにはMちゃんの姿を確認していない。

理由としては、いくつかある。

・Mちゃんは普段から、ご夫婦のご帰宅をお出迎えすることがない
・Mちゃんは寝室のクローゼットの中がお気に入りの場所で、姿が見えない時はだいたいそこにいるから、その日もそうだと思い込んでいた
・21時頃が日頃の夕食時間で、Mちゃんはその時間になるとリビングに現れる

故に、Mちゃんの逸走を直ちに把握できなかったそうだ。

余談になるかもしれないが。
W様ご夫婦のような状況でペット様を逸走させてしまったケースを耳にすると、飼い主様(今回でいえばW様ご夫婦)をヒステリックに非難なさる方がいる。
非難をはっきりと口に出さなくても、あからさまに侮蔑したような態度を見せる方を含めれば、その数は少なくはない。
そういった暴言を浴びせられてひどく落ち込み、やがては捜索の継続が難しくなってしまった飼い主様もいるくらいだ。

では、どんな非難があるかというと、以下がその一例である。

『二人暮らしの共働きで家を空ける時間が多いなら、そもそもペットを飼う資格はない』
『帰宅後に直ぐペットの様子を確認しないような飼い主は、ペットをかわいがっているとはいえない』
『ペットがいなくなったことに気づくまでにタイムラグがあり過ぎて、同情の余地なし』
『逃がすような酷い飼い主に飼われたペットが、かわいそうで仕方ない』

それらの非難や暴言は、確かに一理あるといえるだろう。
ぼく自身も兄弟猫様たちと共に暮らしているので、帰宅後は先ず、彼らの様子を確認するのが習慣だ。
加えて。
もう何年もの間、迷子ペット様捜索に携わっているので、万が一にも兄弟猫様たちを迷子にしてしまわないようにと、何重もの対策を行っている。

ひきかえ。
実際にMちゃんを迷子にさせてしまっている以上、不注意なのか油断なのかは分からないが、W様ご夫婦になんらかの落ち度があったのは事実である。

だがしかし、だ。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉