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サンタクロースからの贈り物 7

「……その写真は?」

Tさんは首を傾げた。

「以前、迷子になっていて保護したシニア犬です。この子の存在はメビー・ラックの原点です」

ライクとの出逢いから今に至るいきさつを話した。
黙って一部始終を聞いていたTさんは絞り出すように言った。

「……そうなんですか。殺処分を免れたこの子は幸せでしたね」
「幸せな時間をもらったのは私達の方です」
「あなた方なら信用出来そうだ。力を貸して下さい」
「もちろんです! ではいくつか伺わせて下さい」

ボーダーコリーの保護に至った経緯や状況は事前に伺っていた通りだった。
それ以外でヒアリングによってあらたに確認できた事項は、
・Tさんご自身、犬は好きだが共に暮らした経験がないとの事
・Tさんの奥様は犬との生活経験があるとの事
・迷子犬のボーダーコリーを家に入れるまで多少苦戦した事
・保護後に水をかなり飲んだとの事
・食事はペロリとたいらげたが下痢を起こしている事
・毛並みが悪くて所々毛玉になっていたのでブラッシングをしたとの事
・体臭がきつめだという事
・部屋の中で動き回って落ち着きがなさそうな事
・保護した時、近所に犬を捜しているであろう飼い主はいなかったとの事
・18時までにペットタクシーに返事をする約束になっている事
だった。

「……ペットタクシーにお返事の約束がおありになるというのは?」
「はい。実は妻の実家が動物愛護関係の活動をしておりまして。お伝えした通り我が家はペット不可マンションなので、とりあえず犬を妻の実家がある○○県までペットタクシーで運ぼうかと」
「なるほど……」
「妻の実家の方が我が家のマンションよりも広々としておりますし、今日は仕事の調整が可能だったのですが、明日はちょっときびしくて……」

だからといって犬を放置するわけにもいかないというTさんの目は確かにやさしかった。
そのやさしさのパートナーとして私達に出来る事はなんだろうと考えあぐねていると、Nが口を開いた。

「恐縮ですが今のボーダーコリーの心情を推し量るならば、長距離の車移動には反対です。下痢をしているのも気になりますし、年齢もわからない。例えば心臓に疾患があったりすると長距離の移動は負担になりかねません。そもそも車移動に慣れているかどうか……。車酔いしたらかわいそうですし」
「言われてみればそうですよね……」

Tさんの顔に影が差した。
見かねた私はNに尋ねた。

「じゃあ、どうするべきかな? なにかいい方法ある?」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉