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サービスエリアの空の下 100

男性の姿を見送った後、私は自分の車に急いだ。
直に到着して、後部座席の窓から車内を覗く。
幸いにして、白猫様にもキジ白猫様にも特段の変化はなく、二匹とも丸まって眠りについていた。
注意深く観察したが、呼吸が乱れているわけでもない。

そうはいっても、念のために車内の温度を確かめようと、車のキーロックを解除した。
その音で、二匹がぱっと顔を上げる。

「ごめん、ごめん。驚かせちゃったね」

二匹に向かって私がいうと、キジ白猫様は再び顔を沈め、丸まった。
一方の白猫様は、私を見上げ続けている。

私はより注意力を高め、白猫様が車外へ飛び出さないように運転席のドアを薄く開き、車内に腕を差し入れた。
大丈夫そうだ。
暑すぎることこともないし、冷えすぎているわけでもない。
車内の温度を確認後、再び運転席のドアを閉めた私は、白猫様と目が合った。

”……あの子は?”

白猫様が気にしているのは、無論、今現在保護を目指しているキジ白猫様のことだろう。
私は包み隠さず、現状を報告した。

”夜中の間は、姿を何度か見かけているんだけど、今はまだ保護できていないんだ”
”……そう”
”朝になってからは、姿が見れない”
”そう……”
”心配だよね、ごめん……”
”……お腹を空かせてなきゃいいけど……”
”それはたぶん、大丈夫だと思う。君たちにもあげた、手作り食をどこかで食べていると思うから”
”……そう……”

白猫様は私から再び顔を逸らし、傍らで眠るキジ白猫様に、可能な限り寄り添った。

一刻も早く、親子を再会させてあげたい!
是が非でも、キジ白猫様を無事保護してあげたい!

白猫様の姿に、より一層の強い決意が込み上げてきた。

だが……。
そのためには、男性の協力が不可欠な場面が出てくる可能性がある。
たとえば、草むらの中の捕獲器の確認などがそれに当たり、その際は男性の協力を仰がざるを得ない。
それを考えると、男性の様子だけが気がかりだ。
金髪男との会話でどんなアドバイスを受けたのか想像もつかないが、今現在の男性の頭の中は”シロ”くんのことでいっぱいだから、である。

そもそも、男性が”シロ”くんに伝えたいことを伝え終わるまでには、一体全体、どれだけの時間を要するのだろうか……。
私には皆目見当がつかない。

なんにしても、これだけは、はっきりしている。
キジ白猫様の保護活動だけに集中してもらうためには、”シロ”くんのことについてやり残したことを、男性自身が解決しなければならない。
厳しい表現になるが、それが叶うまでは、男性を戦力とみなすことは止めにした。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉