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サービスエリアの空の下 101

とにもかくにも、張り込み場所に戻ろう。
そう思った私が車のドアロックをしようとした時、スマフォが着信を知らせてきた。

……ん?
男性は、もう”シロ”くんを発見して、伝えたいことを伝えたのだろうか。

スマフォのディスプレイに目を落とすとしかし、電話をかけてきたのは男性ではなかった。
だが、見知った電話番号が表示されている。

「はい」
「あの、今、お電話をしていて大丈夫ですか?」

声の主は、過去ブログ『サービスエリアの空の下 12』から『サービスエリアの空の下 23』で綴っている、F様からだった。
せっかく保護が叶ったKちゃん(※詳細は、同上の過去ブログを参照)に、なにかあったのだろうか……。
心配を含んだ声音で、私は訊ねた。

「大丈夫ですよ。どうなさいました?」
「お忙しいところ、申し訳ありません。あのですね……お節介ながら、例のサービスエリアの猫たちの捜索がどうなったのかと思いまして、お電話差し上げた次第です」
「そうですか。わざわざ気にかけて頂き、ありがとうございます」
「そんな、そんな。御礼をいわれるほどのことではありませんよ」
「ところで……Kちゃんの様子はどうですか? 食欲が低下していたり、排泄物に異常が見られたりしていませんか?」
「大丈夫です。迷子になっていたのがウソのように、いつも通り、Kはのんびりと過ごしています」
「それは、なによりです」
「おかげさまです」

よかった。
心底、ホッとする。
だが、そうなると、どんな用件があって電話をくれたのだろうか。
私が疑問を口にするまでもなく、F様がいった。

「それはそれとして、今も捜索中だったりするのですか?」
「はい」
「ということは……まだ保護できていない、ということでしょうか?」
「親子二匹は無事に保護できたのですが、残念ながら、もう一匹の子は未だ無事保護が叶っていない状況です」
「それは心配ですね……。それにしても、すでに二匹を保護できたのはすごいですね! さすがです!」
「いやいや。私一人の力ではありませんよ。三匹の保護後、共に暮らすことを決めているご依頼主にもご協力頂いているからです」
「そうなんですね。ところで、親子二匹を保護済みということは、もしかして、夜通し寝ずに捜索をなさっているのですか?」
「はい」
「えええええっ!」

大袈裟に思えるほど驚きの声を上げた途端に、F様の声が受話口から遠ざかった。
どうやら、F様の傍らにはA様がいるらしい。
ここまでの私との会話を、F様がA様に、かいつまんで伝えているようだ。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉