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サービスエリアの空の下 102

A様と会話しているであろうF様が私との話を再開するのを待っていると、電話の向こうで大きな声がした。

「え、夜通し寝ずに!? 私には絶対無理だわ……。それにしても、私たちの家からサービスエリアに向かって、そのまま徹夜で捜索してるなんて、体調を崩してなきゃいいけど……」

A様の声だ。
そのすぐ後、A様と同じく私を案ずるF様の声が受話口から流れてくる。

「ご体調は、大丈夫なんですか?」
「ええ。今のところは平気です」

まったく疲労を感じていないわけではないが、その気持ちは本当だ。
迷子ペット様捜索の初期段階のように、当該ペット様がどこにいるのか分からない状況で歩き回るのと違い、今回はサービスエリア内の限られた場所だけを捜し回ったり張り込みしたりするのがメインになっているので、体力の消費が幾分楽なのが理由だと思う。
なにより、すでに白猫様とキジ白猫様を無事に保護できている現実が、幾らかでも心を軽くさせていた。

それらを私が告げても尚、F様は気遣いの言葉をかけてくれた。

「そう仰るなら大丈夫なのでしょうが……それにしたって、ご無理はせず、きちんと休憩を挟んでくださいよ」

休憩、か……。
そろそろ、休憩を挟むつもりだったのですけれどもね、と私は薄く笑った。
そうはいっても、だ。
男性が幽霊状態の”シロ”くんを追いかけて行ったことについては、さすがに正気を疑われそうなので、F様にはいわなかった。

そんな私に、F様のお説教が続く。

「もしも体調不良で倒れられたりしたら、協力している男性だって困ってしまうでしょうし、残りの一匹の保護活動に支障がでてしまうのではありませんか?」
「仰る通りですね。集中力の低下を招かないためにも、機を見て、休憩することにします」
「その方がいいですよ」

F様はようやく納得してくれたようだ。
お説教モードが過ぎ去ると、F様はいった。

「そういえば、お渡ししたKの手作り食、少しはお役に立ちましたか?」
「少し、だけではありませんよ。大いに役立ってくいます。頂戴したKちゃんの手作り食は、こちらの子たちにも大人気ですから」
「そうなんですね!」
「ええ。Kちゃんの手作り食がなかったら、二匹の親子も保護できたかどうか」
「そこまで、ですか?」
「はい。初対面の私の手の平からでも、美味しそうに食べてくれました。おかげで、一匹は抱っこして保護できたほどです」(※詳細については、過去ブログ『サービスエリアの空の下 45』から『サービスエリアの空の下 47』を参照)

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉