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サービスエリアの空の下 107

A様とF様が不思議がっている様子をこれ以上放置することに申し訳なさを感じた私は、鈴音のことについて話すことを決めた。

「お二人とも、この後、急ぎの用がありますか?」

お互いの顔を見合わせた後、F様がいう。

「大丈夫です。実はボクたち、捜索のお手伝いをできたらと思ってここに来たんですよ。ね?」
「そうなんです」

答えたA様が、会話の後を継ぐ。

「もちろん、ご迷惑でなければですけど……」
「迷惑なんて、そんなことはありませんよ」
「本当ですか?」
「はい。実際、やってもらえると助かることは、いくつかありますし」
「よかったです。じゃあ、遠慮なく手伝わせて頂きます」
「ありがとうございます。では、とりあえず、私についてきてくださいますか? 鈴音に関しての話は、歩きながらにでも」
「はい」

二人から頂戴したKちゃんの手作り食のうち、凍っている状態のものは車のトランクに入れ、私は歩き出した。
共に歩き出した二人に、私はいった。

「さっき聞こえた鈴音のことですが……実は、昨日から何度か聞こえているのです」
「そうなんですか! だから、あまり不思議そうにしていなかったんですね」

納得しているA様に代わって、F様が聞いてきた。

「ちなみに、協力者の男性の方にも鈴音が聞こえたのですか?」
「はい。全部ではないようですが」
「え?」
「どういうわけか、私にしか聞こえない時があるようです。もっとも、逆に、男性にしか聞こえない時があるのかもしれませんが」
「へえ……。鈴音が聞こえてくるタイミングに、なにか法則のようなものがあるのですかね?」
「それは分かりません。いつだって、前兆なしに聞こえてきます」
「じゃあ、鈴音の正体は分からずじまいなんですね」
「残念ながら、今はまだ」
「今までの捜索時にも、こういった体験をなさったことがあるのですか?」
「ここまで何度も聞こえてくるのは、初めての体験です」
「え? その言い方だと、回数の問題を抜きにすれば、今までも、鈴音が聞こえてきたことがあるってことですか?」
「まあ、似たような現象を含めてですが、そのような体験をしたことは、あるといえばあります。けれど、そのいちいちを科学的に検証したわけではありませんし、他人からしてみれば錯覚の類に思われるかもしれません」
「得てして、そういうものですよね」
「誤解のないようにお伝えしておきますが、そういう類のことだけを頼りに迷子ペット様の捜索を行っているわけではありません」
「分かっています。行動を見ていれば、地道な努力をなさっていることは想像に難くないですもん」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉