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サービスエリアの空の下 108

話をしているうちに、張り込み場所に着いた。
この場所で張り込みをしながらキジ白猫様が姿を現すのを待ちたい旨を、F様とA様に私は告げる。

「草むらの中には入れないので、この方法しかないわけですね?」
「まあ、それもありますし、下手に捜し回って警戒心を煽らないためでもあります」

F様と私の会話に、A様が割り込んできた。

「じゃあ、私たち二人は、ここで張り込みをしていればいいのですね?」
「お願いできますか?」
「はい」
「仮に、お手洗いや食料調達などの用事でこの場を離れる場合は、できればF様と交代交代にして頂けるとありがたいです」
「了解しました。目を離す時間を作らないようにします。それで、もしキジ白猫ちゃんや茶色猫ちゃんを見かけたら、どうすればいいですか?」
「ほかの子であっても、見かけたらすぐに電話を頂ければと思います。私はとりあえず、あちこちに設置してある手作り食の現状確認に向かって、食べられて無くなっているものに関しては補充を行いたいと思いますので」

二人から頂戴したKちゃんの手作り食が入っている保冷バックを私が掲げると、A様がいった。

「キジ白猫ちゃんや茶色猫ちゃんが美味しそうに食べている姿を、私たちも見ることができたらいいなあ」
「そうですね。作った甲斐がありますものね」

満面の笑みを湛えたA様に、私はお願いを付け足した。

「今現在、男性の協力を得て、草むらの中に捕獲器が設置してあります」
「そうなんですね」
「距離があるので難しいかもしれませんが、もしも捕獲器が閉まった音が聞こえたら、その際もすぐに電話をください」
「分かりました」

いいながら、A様は思い出したように質問を投げてきた。

「草むらの中に設置している捕獲器の確認には、男性の協力が必要なんですよね?」
「そう、ですね……」
「結局、その男性は今、どこにいらっしゃるんですか? キジ白猫ちゃんの保護活動に協力させてもらうので、ご挨拶くらいはしておきたいなと思うんですが……休憩中ですかね? だとしたら、後でも構いませんけど……」

A様とF様に、キジ白猫様の保護活動を手伝ってもらうこの期に及んでは、当てずっぽうな誤魔化しの理由で押し通すわけにはいかない。
現在の居場所だけでも伝えることにした。

「男性は今、草むらの中を捜し回っています」
「そうなんですね。じゃあ、ご挨拶は後程で」

男性のことについて、A様はそれ以上詮索することはなかった。
私はF様にも目をやってから、

「では、張り込みの方、よろしくお願い致します」

と告げ、一旦この場を辞去した。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉