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サービスエリアの空の下 112

男性との電話を切った後、私はF様とA様の元へと急いだ。
男性と連絡を取り、顔合わせすることを決めたことを告げ、二人を喫煙所付近まで案内する。

待ち合わせ場所には、私たちの方が、男性よりも早く到着した。
男性を待っている間、F様・A様と私は、それぞれ別々の方角に目をやりながら、キジ白猫様の姿を捜した。
だが、その姿を目撃することはできないでいた。

そのまましばらくすると、男性が草むらの中から現れた。
私が中心となって、それぞれを紹介する。

「こちらが、お手伝いを申し出て頂いたF様とA様です」

二人は揃って、

「どうも、はじめまして」

と挨拶し、お辞儀をする。
男性もそれに倣い、挨拶を返した。

「はじめまして。ご協力頂けるそうで、ありがとうございます」
「私たちにできることは大したことではないと思いますが、キジ白猫ちゃんを無事保護できるように、精一杯頑張らせて頂きます」

A様の後に、F様がいう。

「ボクたちが飼っているKという猫も、アドバイスをもらったおかげで無事に保護ができました。だから、一緒に頑張りましょう!」
「そうですね。ありがとうございます……」

答えた男性の顔をちらりと窺うと、その目には、やや陰りが残っている。
F様とA様がそれに気づいてしまわないように、私は割って入った。

「では、挨拶もそこそこですが、御三方にお願いがあります。今後の捜索中に急を要する出来事が起きた場合に備えて、それぞれの携帯番号を交換して頂けると助かるのですが、いかがでしょうか?」
「私たちは構いませんよ。ねえ?」
「うん」

A様に同意を求められたF様がいうと、男性が率先して、電話番号交換を始めた。
それが終わるのを待って、私はいった。

「ご協力ありがとうございます。それでは、手短ではありますが、当面の捜索方針の確認をさせてください。先ず、御三方にやって頂きたいことは、今さっきまでそれぞれが行っていたままのことで結構です」

F様・A様は、やる気に満ちた表情で頷いている。
男性は『”シロ”をまだ追いかけていていいのですか!?』といいたげに、驚いた様子だ。
私は構わず続けた。

「そんなわけで、しばしの間、サービスエリア内は御三方にお任せしたいと思います。その間、私は草むらの向こうの住宅街に行ってきます」

三人の目が大きく見開かれた。
私が近場を離れることに、不安が多くを占めているようである。

だからといって、私が三人に付き切りになるわけにはいかない。
せっかく四人もいるのに、手分けをしないことは非効率すぎだ。
キジ白猫様の無事保護に向けて、とにかく、それぞれの頑張りで不安に打ち勝ってもらうほかない。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉