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サービスエリアの空の下 117

過去ブログ『サービスエリアの空の下 116』で書いたご婦人との会話内容から、私の考えは固まりつつあった。
私たちが保護を目指しているキジ白猫様は、まったくもって肥満体系ではない。
どちらかというと、痩せ気味な方だ。
それに、首輪は付いていない。
男性を疑うわけではないが、目撃した距離が近くはなく、時間帯が深夜帯で、尚且つ外灯の少ない暗がりであった以上、私であっても見間違えてしまう可能性はある。

私は念押しで、もう一度訪ねた。

「ほかに、同じ柄の子を見かけることはありますか?」
「……いいえ。キジ白猫は、その子だけだったと思います」
「そうですか……。では、ほかの柄の子についてはどうでしょうか?」
「ええと……白黒猫が三匹と、茶トラ猫が一匹、それと、キジトラ猫ですかねえ」

壁の上の黒猫様と、ご婦人がいう首輪付きのキジ白猫様の二匹を合わせて、ぜんぶで七匹がこの近辺で生息していることになる。
そのほかにも猫様がいるはずだと考えれば、少なくはないな、という感想を持った。
私は、さらに質問を重ねた。

「ちなみに、お宅でもエサやリをしていらっしゃいますか?」
「いつも、というわけではありませんが、猫たちがたまに催促してきますので、その時はあげることもあります」
「おねだりしてくるなんて、かわいいですね」

笑顔を浮かべて、私はいった。
だが、頭の中では、笑顔と関係のないことを考えていた。
ご婦人宅に現れるキジ白猫様が、私が捜すキジ白猫様とべつである可能性が高いとなると、この場所での捜索優先順位は低い。

だとしても、だ。
ご婦人の話だけで決めてしまうのは早計である。
せめて、隣近所にも、ご婦人に聞いたのと同じ質問を投げる必要があるだろう。
捜索優先順位の最終判断はそれからでも遅くはないと思った私は、ご婦人に聞いた。

「ご迷惑でなければ、いつでも沢山のキャットフードを庭に置いているご近所さんを教えてもらえますか?」
「いいですよ。キジ白猫のことを見かけたことがあるお宅が、ほかにもあるでしょうしね」

ご婦人から、いくつかのお宅を教えてもらった私は、深く頭を下げて礼を述べた。

「ありがとうございました。早速、お話を伺いに行きたいと思います」
「そうしてください。早く保護できるといいですね」
「はい。頑張ります。では、もしかしたらまたお話を伺いにあがるかもしれませんが、一先ず失礼致します」
「いつでもどうぞ」

ご婦人に見送られて、私はH様宅を後にした。
壁の上にちらりと目をやると、相変わらず黒猫様が昼寝をしていた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉