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サービスエリアの空の下 12

私の所用とは、何なのか。
それは、とある飼い主様(F様)と猫様(Kちゃん)に会いに行くことだった。

一週間ほど前、そのF様から一本の電話相談を受けた。
相談電話の四日前の午前中に、Kちゃんが自宅から逸走してしまったという内容だった。

Kちゃんの逸走に気づいたF様は、すぐに周辺を捜し歩いたという。
だが、いくら捜しても目撃することはかなわず、私に電話相談をしてきたわけだ。

逸走の経緯を聞くところによると、逸走場所は玄関だそうだ。
家電を運んできた運送業者が開け放ったままの玄関ドアから、Kちゃんは表に出た模様である。

”模様である”という言い方なのは、Kちゃんが逸走する姿を、運送業者及びF様がご自分の目で目撃したわけではないからだ。
Kちゃんの姿が見えないことにF様が気づいたのは、運送業者が帰った三時間後くらいだという。
その直後から連日、F様は捜索を行ったそうだ。
だがしかし、一向にKちゃんの姿を捉えることができなかったため、件の相談電話に至った次第である。

相談電話を受けた際にはすでに、Kちゃんの特徴などを記載した捜索用チラシを、F様は近所に配っていた。
念のため、そのチラシデータをメールで送付してもらい確認したが、記載内容に不備があるとは思えなかった。
捜索用チラシを配布した範囲についても、的外れというわけではなさそうだった。
それにもかかわらず、有力な目撃情報電話は一つもない状況だという。

F様のお宅周辺の立地状況は、グーグルアースの地図やストリートビュー、その他の住宅地図などを用いて確認したところ、いわゆる住宅街で、Kちゃんが身を隠すには困らなそうであることが分かった。
とはいえ、家々の間や裏側の詳細までが写っているわけではない。
よって、実際に現地を捜し回っているF様の伝聞を頼りに、私はアドバイスをした運びだ。

そのアドバイスとF様が行ってきた捜索状況を基にした相談の結果、さしあたり、私がすぐに現場直行する選択肢を除外し、向こう三日間は、飼い主様ご自身で捜索を継続してもらうこととなった。
その代わりに、直ちに捕獲器を貸し出すことにした。
というのも、諸々を鑑みるに、Kちゃんはまだ、F様宅からそう遠くに行ってしまったとは思えなかったからである。

その状況で他人の私がF様宅周辺をうろつけば、下手すると、Kちゃんの警戒心を煽る結果となってしまう。
場合によっては、それが原因で、Kちゃんが遠くに逃げてしまいかねない。
それを避けるために辿り着いた選択肢であった。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉