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サービスエリアの空の下 120

キジ白猫様や茶色猫様が交通事故に遭わないことを祈りながら、自分が目指す場所に辿り着いた私は、周囲にゆっくりと目を配った。

やっぱり、見えにくいな……。

前回ブログ『サービスエリアの空の下 119』で書いた通り、サービスエリア内と住宅街を隔てているフェンスまでは草むらが広がっているのだが、手入れの行き届いていない草は伸び放題である。
故に、近距離であっても地面が見えにくい。
これでは、地面を歩いている猫様の姿を捜すのは容易ではないだろう。

しかも、だ。
この草むらはおそらく、国なり県なりが管轄している土地であろうから、無断で足を踏み入れることはできない。
無論、捕獲器の設置もできない。
つまるところ、この場所で捜索を行うにしても、遠距離から眺めることしかできないわけである。

茶色猫様やキジ白猫様がフェンスの一部に残した被毛から、日頃通っていると思われるルートをいくつか割り出せているのに、そこへ近づくことさえできないなんて……。

もどかしさを抱えたままの私は、しばらくの間、草むらを眺めながら突っ立っていた。
だが、いつまでそうしていても仕方がない。
つぎに取るべき行動をどうするかに考えを巡らせる。

この草むらの中から茶色猫様やキジ白猫様が出てきて、運よくその姿を目撃できる確率は低いであろう。
仮に目撃できたとしても、だ。
草むらの中に引き返されてしまえば、伸び放題の草に視界を遮られ、その行方を追うことはできない。
ならば、この場所でキジ白猫様を保護する考えは、早々に排除した方が賢明だろう。

そうなると、だ。
結局のところ、聞き込みによって、茶色猫様やキジ白猫様の情報を収集することくらいしかできないわけだが……いかんせん、この辺りには人通りがない。

この場所から一番近い住宅はどこだろう……。

周囲を見渡すと、車を停めた場所よりもさらに行った先の県道沿いに、一軒の建物が確認できた。
草むら側の道路に面しているその建物は、二階建ての古びた木造住宅だ。
実際に人が住んでいるのか、はたまた空き家なのかは、距離があるので定かではない。

……行って、確かめてみるしかないな。

そう決めた私だったが、このまま徒歩で目指すべきか、車で移動するべきか迷った。
距離があるとはいえ、徒歩でも全然構わないし、車を停めっぱなしにしていても、県道を走る車の邪魔にはならないだろうと思う。

だが、この車は男性から借りているものだ。
自分の車ならいざ知らず、他人の車を路上に放置するのには、さすがに気が引ける。
私は、車で向かうことにした。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉