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サービスエリアの空の下 20

「私が確信している”絶対”は、タイミングについてです」

ほとんど同時に、A様とF様は首を傾げた。
私はそれぞれの目を見て、話を続けた。

「迷子になってしまったペット様を飼い主様が捜索する際、ただ闇雲に捜し回ることは得策とはいえません。不効率な捜索の仕方では発見率は上がりませんし、それによって、飼い主様ご自身の体力低下や集中力低下が著しくなるからです」

F様はしみじみと漏らした。

「本当にそうです。経過していく時間と共に、ボクの身体と心はズタボロになっていきました……」
「F様だけではなく、ほとんどの飼い主様が適切な捜索方法を知らないのが現状です。ひとえに、『うちの子は大丈夫だろう』ですとか『自分は逃がすわけがない』という決めつけや油断が、そうさせているわけですが……」
「自分自身が当事者にならないと、みんな分からないのでしょうね……」
「その通りです。飼い主様ご自身の過失だけではなく、第三者の関与や不測の事態によってペット様が迷子になってしまうことも有り得るのに、です」
「自戒を込めて……どんなときも、予防対策を怠ってはいけませんよね。本当に」
「そうやって反省なさるのも、反省するタイミングだったのかもしれませんね。Kちゃんを逸走させてしまったのも、決めつけや油断という悪いタイミングが積み重なった結果でしょうし」
「なるほど……。そうやって考えれば、ボクがこれからも決めつけや油断を繰り返していると、もっと大きな不幸が起こるかもしれないよ、という警告とも捉えられますね」
「何かが起こった後に振り返ると、大抵の場合、前触れとか前兆などがあったことに気づけます。ですが、現在進行形で起こっていることに対しては、そういった前触れやら前兆やらに気づけていない人が多いですからね……」
「そうですね……ボクの現状にも当てはまる様な気がします……」

深く考え込むF様に、A様が突っ込んだ。

「ちょっと待ってよ。現状に当てはまる様な気がするって……じゃあ、なに!? もしかして、私との同棲や婚約は、不幸の始まりだっていうふうに考えているわけ!?」
「いやいや。そうじゃなくて……」
「じゃあ、どういう意味よ!?」
「それは……その……」

本来持ち合わせている強気な面を露出してきたA様と、その態度にひたすら我慢をし続けるF様を見ながら、私は思った。
それこそ、お二人がこの関係のままだと、共に歩こうとしていく未来に影が差してしまいかねない。
それに気づくタイミングなのが、今なのであろう、と。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉