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サービスエリアの空の下 23

ほどなくして戻ってきたF様から、私は捕獲器を受け取った。

「ありがとうございます。では、行って参ります。お二人とKちゃんとの日々が幸せに満ちたものになることを、いつまでもお祈り致しております」

A様とF様は、ごく自然とやわらかい表情になり、やさしく頷いた。
私も頷き返し、ついで、Kちゃんにも別れを告げた。

「じゃあね。元気で暮らすんだよ」

A様の腕に抱かれながら一緒に見送ってくれたKちゃんは、くりくりの瞳で私を見上げていた。

A様とF様、Kちゃんの未来は、きっと明るいものになるであろう。
そういう印象を持った私は、彼らに別れを告げて車に戻り、サービスエリアで待つ男性に電話をかけた。

「もしもし。お持たせしており、大変申し訳ありません。今から戻りますので」
「ああ、どうも! どうも! お疲れのところ、こちらこそ申し訳ありませんねえ」
「そちらに到着できるのは、やはり勤務時間を過ぎてしまうかもしれません……」
「構わないですよ。お持ちしています」
「彼らはどうしていますか?」
「今はおそらく、草むらの奥にいると思います。例の、ガムテープでグルグルに巻かれた段ボール箱ごと棄てられた場所です。三匹とも、あそこをねぐらにしていますので」
「そうですか。食事の方はどうですか?」
「相変わらず、こっちが用意したキャットフードには、口をつけた形跡はありません」
「揚げ物類は?」
「こっちが見ている限りですが、お宅さんが用事で出掛けた後には、三匹にエサをあげている誰かはいないと思います」
「分かりました。でしたら、お願いがあります」
「なんでしょう?」
「せっかく用意してもらって恐縮ですが、そちらに私が到着するまでの間、キャットフードは撤去してもらえますか? それと、もしこれからの間に、誰かが揚げ物類を与えようとしているのを見かけた、もしくは与えた形跡を見つけた場合、それらの撤去もお願いします」

捕獲器の中に三匹の猫様を誘導するには、彼らがお腹を空かせている状況が望ましい。
F様とA様から分けて頂いた手作り食がいくら魅力的な匂いを放っていたとしても、お腹が満たされていると、見向きもしない可能性が高いからだ。
そのことを私が告げると、男性は快く応じてくれた。

「そういうことならば、キャットフードは今すぐに撤去しておきますし、誰かが三匹にエサを与えようとしていたら止めてもらように注意します」
「お願いします。では、今から出発しますので」
「はい。お気をつけて」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉