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サービスエリアの空の下 24

三匹の猫様たちと男性がいるサービスエリアへは、およそ予想していた時刻通りに到着できた。

F様・A様・Kちゃん宅を出発する際に電話をかけた時、

『今はおそらく、草むらの奥にいると思います。例の、ガムテープでグルグルに巻かれた段ボール箱ごと棄てられた場所です。三匹とも、あそこをねぐらにしていますので』

と男性から聞いていたので、その付近に近い駐車スペースに車を停めた。
そして一先ずは車を降り、草むら辺りまで歩いた後、男性に電話をかけようとした。

その時、草むらの奥からこちらに向かって動く気配を感じたので、私はスマフォ画面から顔を上げた。
男性だ。

「どうも、お待たせ致しました」

その声かけで私に気づいた男性は、破顔一笑しながらこちらに寄ってきて、声をひそめた。

「……ちょうど今、三匹は、ねぐらにしている草陰で丸まっていますよ」

まるで秘密の潜入作戦を行っているかのような”乗り気”な素振りを見せる男性を見て、私は思わず吹き出してしまいそうになった。
だが、男性の”乗り気”な気分を害してしまうのは申し訳ないので、どうにか堪えて答えた。

「そうですか」
「どうやら寛ぎ中みたいです。どうしましょう? 早速、三匹の保護を実行しますか? こっちは、何から手伝えばいいですかね?」

一度火のついた”乗り気”の炎が勢いを増したようで、男性の目は、らんらんとしている。
それでも私は、残念な事実を伝えた。

「お気持ちはありがたいのですが……彼らを保護するための、直接的な手伝いは不要です」
「え……そうですか……」

男性のあからさまな落胆ぶりに戸惑いを覚えたが、致し方ない。
私が行うべきは、三匹の猫様たちを無事に保護することである。
ならば、努めて冷静に、あくまでも効率的に、どこまでも実直に、三匹の猫様たちの無事保護に向けて、適切な行いをするまでだ。
私は、淡々と述べた。

「無事に彼らを保護するための確率を少しでも上げるためには、極力、彼らに警戒心を抱かせないことです。ですので、彼らの保護は、私一人で行いたいと考えています。ご理解ください」

いつも顔を見せ合う間柄といっても、いつもとは様子の違う”乗り気”な男性の様子に対し、三匹の猫様たちは、大なり小なりの違和感を抱いているはずだ。
どれだけの長さだったのかは定かではないが、ねぐらで寛ごうとしていたのにもかかわらず、男性にずっと見張られていたのだとしたら、三匹の猫様たちが落ち着かなかった可能性も否定できない。

その観点から、三匹の猫様たちは寛いでいたのではなく、警戒心を抱きながら丸まっていたのだと、私は判断した。
寛ぐどころか、ずっと気を張りながら、男性の様子を窺っていたのだろう。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉