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サービスエリアの空の下 28

男性が話した通り、夜間の猫様たちの動きについては、自分で確認しないことには今のところはっきりとしない。
であるからして、現段階では、サービスエリアの敷地内に三匹の猫様たち以外の猫様が来ていない、と考えない方が良いだろう。
同時に、三匹の猫様たちがサービスエリアの敷地外に行っていない、と考えることも避けることにした。
どちらについても、私の独断による決めつけや思い込みで、三匹の猫様たちを無事保護するのに適切な場所を見誤りたくはなかったからだ。

「私がフェンス際まで近寄ることは、可能ですか?」

男性は、困ったような表情になって答えた。

「……行けるといえば、行けます。草むらといっても、特段、険しい道行ではありませんから……」

歯切れの悪さから察するに、サービスエリアで働く関係者以外の人間が草むらの奥へ侵入することは、安全確保の都合上、禁止されているのだろう。
サービスエリアで働く身である男性の立場としては、草むらの奥へ私が侵入することに対して、考えなしに許可を出せないはずだ。
ならば、強行するわけにはいかない。
私は、男性を安心させた。

「大丈夫ですよ。いくらなんでも、禁止されていることを勝手に行うつもりはありませんので」
「すいませんね……ただの雇われの身ですのでお役に立てず……」
「お気になさらずに。どうしてもフェンス際の確認が必要になった際は、私の代わりに行ってもらうことで対処したいと思いますので、その時はよろしくお願いします。それならば、問題はありませんよね?」
「大丈夫です。遠慮なく仰ってください」

少しほっとしたような表情に戻った男性は、少し首を傾けた。

「それで……これからお宅さんは、どうなさるおつもりですか?」
「私は一先ず車に戻って、捕獲器の中に入れるエサの設置準備に取り掛かります」
「そのまま、捕獲器を仕掛けるのですね」
「いいえ」
「え?」

男性の期待を、ひしひしと感じてはいる。
だが、現段階で当てずっぽうに捕獲器を設置するつもりはない。
たとえば、何らかの要因で捕獲器のフラップが閉まってしまうなど、一度失敗してしまえば、三匹の猫様たちの警戒心を高めてしまうからだ。
そうなると、捕獲器自体に近づかなくなってしまう恐れがある。

「だからこそ、捕獲器の設置場所を決めるのが先決だと考えています」
「なるほど……それにしても慎重ですね。さすがプロって感じです」
「私はただ、彼らを出来る限り早く、無事に保護してあげたいだけです」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉