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サービスエリアの空の下 29

プロかプロでないかというよりは、一個人としての私の率直な想いを聞いた男性は、どうやら感心したらしく、深く頷いた。

「いやはや、ひょんな縁で猫たちの保護を手伝ってもらうことになりましたが、あらためて御礼をいわせてください。本当にありがとうございます」
「そんな、そんな。まだ、彼らを無事に保護できたわけではありませんので、御礼は結構ですよ。今はとにかく、頑張りましょう」
「はい!」
「それでは、張り込みの続きをよろしくお願いしますね。私は車に行きますので」
「了解しました」

男性に告げて車に向かった私は、歩きながら、三匹の猫様たちの保護方法について考えを巡らせた。

先ず、捕獲器の設置場所を探る作業が先決なのは、これまでに語った通りである。
ただし、捕獲器の設置場所を決めただけでは、問題がクリアになるわけではない。
如何せん、保護しなければならないのは三匹なのだ。

男性の言葉を借りれば、今回は出掛け中の”ひょんな縁”で保護の手伝いをすることになったので、通常のご依頼のように、こちらの準備が万端とはいえない。
三匹の猫様たちに対して、捕獲器は一つしかないのだ。
その一つで三匹の猫様たちを同時に保護することは、捕獲器の構造上、不可能である。

繰り返し述べるが、たとえ、捕獲器の使用で一匹を保護できたとしても、その様子をべつの二匹が見ていた場合、警戒度は極めて高くなってしまうだろう。
それを避けるためには、三匹の猫様たちそれぞれが離れたタイミングを狙って、一匹ずつ保護をしていく方が望ましいといえそうだ。

懸念材料は、まだある。
保護する順番はべつとして、だ。
三匹全員を保護するまでに、何日も費やすわけにはいかない。
というのも、この三匹の親子は、ねぐらを共にしているという事実を無視できないからだ。

仮に、捕獲器を使用して一匹を保護できた場面を、残りの二匹に見られることなく終えたとする。
それでも、その二匹の保護に日数を費やしてしまえば、元も子もない。
いくら待っても、保護済みの猫様の姿がねぐらに戻ってこないことに気づいた彼ら二匹の警戒心は、果たして高まってしまう可能性がある。
ただでさえ、彼らにとって顔なじみではない私が周辺に居続けることになってしまうので、尚更だ。

だからこそ、一匹を保護したならば、続けざまに残りの二匹の保護作業に移る必要がある。
そういう理由で、三匹全員の保護には、可能な限り日数を費やさないようにしなければならないとの考えを、私は持っていた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉