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サービスエリアの空の下 30

三匹の猫様たちを、一匹ずつ無事に保護するにしても、まだまだ問題は残っている。
何度もいうが、捕獲器は一つしかないのだ。
通常は一匹の保護を承ることがほとんどなので、捕獲器は一つであっても、絶望的には困らない。
保護後は、飼い主様のお宅や動物病院まで、捕獲器ごと運べばいいからだ。

翻って、今回は三匹の保護なので、困る事態が待ち受ける。
それは、一匹目の猫様を捕獲器で保護した後のことだ。
つまりは、残り二匹の猫様の保護に捕獲器を使用したいならば、一匹目の猫様を捕獲器の中から出さなければならない事態となる。

となると、一匹目の猫様をどこで解放するのかが問題だ。
この三匹は、外で暮らしている猫様たちなので、どんな病気を抱えているか分からない。
とりわけ、白猫様はすでに重度な皮膚病を患っている状態だ。
であるからして、直ちに動物病院へ運び、必要な診察と治療を受けさせてあげた方がいいだろう。

しかしながら、これからの時間は、ますます夜が深まる時間帯だ。
この近辺は都会ではない以上、24時間稼働している動物病院が在るという見込みは薄そうである。

だからといって、翌日の診察開始時間までの間、保護した一匹目の猫様をずっと捕獲器の中に入れっぱなしでは、残り二匹の保護活動はストップせざるを得なくなり、それはそれで彼らの警戒心を高めてしまう結果になりかねない。
そのことについては、前回ブログ『サービスエリアの空の下 29』で書いた通りである。

ならば、保護した一匹目を、一先ずは男性の家に運び、二匹目を保護できた際も同様にして、三匹目の保護に取り掛かる段取りがいいのかもしれない。
万が一、途中に不測の事態が起きた場合は、臨機応変に対処する心構えも忘れずにいるべきだろう。

そんなことを考えながら車に戻った私は、トランクを開けた。
ハードタイプのキャリーケースが一つと、一枚の洗濯ネット、バスタオルが常備してあるのを再確認するためだ。
確かにそれらは在った。
ほかにも、捕獲器の中に仕掛けるエサ用と水用のボウルなども、不足なく揃ってはいた。

続いて私は、後部座席に置いてあった捕獲器の動作確認を行った。
念入りにチェックしたが、問題なく使用できそうだ。

その後に、F様・A様から頂戴した手作り食の状態もチェックした。
腐敗のことを懸念し、こちらに向かう途中で購入した保冷バックに入れておいたおかげで、解凍はまだ、さほど進んでいない。
ともあれ、どこに捕獲器を設置するべきかはこれから決める以上、手作り食を今すぐ仕掛けるわけではないので、それは再び保冷バックの中にしまった。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉