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サービスエリアの空の下 31

さてと!

車のトランクを閉め直した私は、三匹の猫様たちのねぐらがある草むら辺りに足を向けた。
草むらの奥にまで足を踏み入れることについて、このサービスエリアの従業員である男性から許可を得られていない。
故に、あくまでも周辺観察しかできないが、それでも自分の目で立地状況を確認する重要性を、経験上、私は知っている。

草むらが広がっている場所に近づくと、私は早速、目を凝らした。
だがしかし、近くで見ると思ったよりも草むらは奥深く、サービスエリア内外の境目にあるフェンスまでは確認できなかった。

とはいえ、それはそれで好材料ともいえる。
捕獲器を設置できそうな草陰が、いくつもあるからだ。
どの草陰も人目にはつきにくいので、三匹の猫様たちにとっては、捕獲器に近寄りやすそうである。
それにしたって、捕獲器を設置するのは、できるだけ草むらの奥がいいだろう。
サービスエリア内に入ってくる車の動線から離れている方が、より静かであるのは間違いない。

広がる草むら沿いを一通り歩いた私は、三匹の猫様たちを張り込みしている男性の元に戻った。

「捕獲器を設置するのに適していそうな候補場所を、何か所か決めてきました」
「そうですか。いよいよですね!」
「彼らの動きはどうですか?」
「三匹は姿を見せません。まだ、ねぐらにいると思われます」
「なるほど……」

そういってはみたものの、やはり現認が必要であろう。
三匹の猫様たちがねぐらにいた場合と、いなかった場合とで、捕獲器を設置する候補場所が変わってくるからだ。
私は、男性にお願いした。

「彼らがまだ、ねぐらにいるのかどうか、念のために確認しに行ってもらってもよろしいですか? その間は、私が張り込みをしますので」
「分かりました」
「彼らが警戒しないように、確認は遠目からで結構です」
「はい。慎重にやります。それじゃあ、行ってきます!」

男性は草むらまで小走りで向かい、いざそこに近づくと、忍び足になった。
そして、草むらの中に姿を消してから少しして、再び現れた。
そうかと思うと、私の元に駆け寄ってきた。
肩で息をしている。

「すみません!」
「……どうしました?」
「ちゃんと見張っていたつもりだったんですが、三匹のうち、二匹の姿はもう、ねぐらにはありませんでした……」

謝る男性の表情は、心底悔やんでいるように見えた。
私は、微笑んでいった。

「まあ、致し方ありませんよ。謝らないでください。二匹が草むらの奥を移動したならば、このベンチからでは確認できませんし」
「でも……自分の至らなさが情けない限りです……」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉