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サービスエリアの空の下 38

前回ブログ『サービスエリアの空の下 37』で書いた懸念に加えて、だ。
二匹目を捕獲器で保護して男性の家に連れて行き、動物病院に向かう際も同じことをしなければならない。
一匹目及び二匹目の猫様を保護した後も、私はこの場で残り一匹の猫様の保護を続けなければならないので、一連の作業が一人でできるかどうか、男性に確認した。

「正直、自信はありません……」
「でしたら、私が残りの一匹を保護できるまでは、動物病院への移動は控える方がいいかもしれませんね。とにかく、外へ逃がしてしまうのだけは避けたいところなので」
「はい……」

男性が、自分の不安を打ち明けてくれたのはよかった。
変に自信を持たれても、過剰なやる気だけでチャレンジされても、失敗する確率が高い。

加えて、なにがなんでも捕まえようとしつこく追い掛け回すのも、猫様たちにとっては迷惑だろう。
無理に捕まえようとした結果、男性自身が猫様に引っ掻かれたり咬まれたりしてケガを負ってしまうのも避けてあげたい。

とにかく、無事に三匹を保護した後は、彼らと男性は長い間一緒に暮らしていくわけであるからして、可能な限り良好な関係性を築くに越したことはない。
そうなると、動物病院への移動も、私が担ってあげた方がいいだろう。

「まあ、いずれにせよ、彼ら三匹の保護がかなわないことには先に進みません。がんばりましょう」
「はい!」

男性の力強い返事を聞いて、そのやる気を最大限に生かしてあげたいと思った私は、どんな作業が適しているか考えた。
捕獲器とそれへの誘導用のエサを設置し終えた現状では、基本的に張り込みを続けることが望まれる。
捕獲対象の猫様をいたずらに刺激して、その警戒心を煽らないためだ。

ちなみに。
ケースバイケースだが、極端な話、現場から立ち去ってしまうことがいい場合もある。
だが、今回の立地的な側面から考えるに、この現場から立ち去るまでのことはない。
三匹の猫様たちの主な行動範囲である草むらの中には、このサービスエリアで働く従業員以外の一般人の立ち入りが禁止されているからだ。

しかも、である。
従業員にしたって、多くの回数を立ち入るわけではない。
夜間帯に至っては、通常、立ち入ることは皆無といえるだろう。

そうであるならば、夜間帯に草むらの中に立ち入るのは、それだけで猫様たちを警戒させてしまう危険がある。
だからこそ、草むらの中に立ち入るのは、必要最低限にした方が賢明だ。
たとえ、草むらの中を捜したいという気持ちを男性が強く持っていたとしても、である。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉