新着情報

サービスエリアの空の下 39

男性に適した作業をあれこれ考えた挙句に選択した案を、私は男性にいった。

「ここからフェンスの向こう側、つまり幹線道路付近の民家まで車で行った場合、どのくらいで着きますか?」
「そうですね……この時間帯なら、30分かからないくらいです」

そう遠くはない距離だ。
設定したスマフォのタイマー機能が作動するまでの残り時間、こちら側で二人で張り込みを続けるよりも効率がいいだろう。
私は、男性にお願いした。

「今から、フェンスの向こう側の幹線道路沿いの民家に向かってもらえますか? そちら周辺であの子たちが姿を現すかどうか、様子を見に行ってほしいのです」
「分かりました。先にいなくなっていた二匹をこちら側で一向に見かけないとなると、確かにフェンスの向こう側に行っているかもしれませんね」
「もし見かけても、追いかけずに、遠目で行き先を確認しながら電話をください」
「はい」
「それと、ついでで構わないのですが、どこかにエサ置き場を見つけたら、その時点でも電話をお願いします」
「了解です。ほかにもなにかあり次第、連絡させてもらいます」
「では、お気をつけて」

男性は自分の車を停めている場所に、意気揚々と走って行った。

白猫様以外の二匹がねぐらから姿を消してから、現状、一時間近くが経過している。
正確な時間は分からないものの、白猫様も同様にねぐらから移動してからは、十分ないしニ十分経ったくらいだ。
三匹が同じ場所を目指して、つまりエサを得れる同じ場所を目指して動いたと断言はできない。
このサービスエリア内はべつとして、フェンスの向こう側に在る民家のどこかには、複数のエサやリ場が存在しないともいえないからだ。

そうはいっても、この辺りは住宅がひしめく都会とはちがう。
民家一つ一つの敷地は広いであろうし、男性曰く、畑がちらほら点在しているとなると、大きな納屋があるだろう。
それらをくまなく捜索するには、敷地内の外から覗くだけでは限界がある。
どうしたって、家主なり持ち主なりに、その敷地内への立ち入り許可を頂くのが必要だ。
だが、今は深夜帯である。
許可をもらうための訪問は難しい。

それでも、どこかの敷地内及び納屋に入って行く、もしくは出てくる姿を確認できれば、一つの収穫である。
明日以降、許可を頂いた後に、その辺りを重点的に捜索すれば、保護できるまでそんなに時間を費やさなくて済むだろう。
その意味で、男性が三匹のうち一匹でも姿を目視できることに、私は期待を寄せた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉