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サービスエリアの空の下 46

私が祈るまでもなく、キジ白猫様はあっさりと手作り食を口にした。
贔屓目かもしれないが、満足そうな表情に見える。

よし!

私はすかさず、持っていた手作り食を一握り手に取った。
そして、キジ白猫様を招くように手を伸ばし、やさしく声をかける。

「ほら、まだあるよ。食べな」

キジ白猫様が気づいて、私に近寄ってきた。

手作り食を手に持ったまま与えてみるか……。
はたまた、手作り食を地面に置いて、私自身が離れるべきか……。

事ここに至って、私は逡巡した。

それを意に介さず、キジ白猫様は、どんどんと距離を縮めてきた。
ならば、試してみる価値はありそうだ。
私は、手作り食を手に持ったまま与えてみる決断をした。
心のうちで、キジ白猫様への想いを念じる。

”大丈夫。怖くないよ。今さっき食べたものと同じものだから、よかったら食べてみて”

それが通じたかどうかは定かではない。
だが、キジ白猫様は事実、私の想い通りに、手の平から手作り食を食べてくれた。
手の平に、キジ白猫様のざらざらした舌の感触が伝わる。
やがて、余すことなく手作り食を完食したキジ白猫様が、私を見上げてきた。

”美味い。美味い。もっと食べたい!”

私には、キジ白猫様がそういっているように思えたので、その要求に応じることにした。

”ちょっとまってね。今、用意するから”
”早く! 早く! お腹がペコペコだ!”

キジ白猫様は大胆にも、地面についていた私の膝に、前足を乗っけてきた。

”……分かったよ。ほら”

再び手に取った手作り食に、キジ白猫様はがっついた。

この様子なら、いけるかもしれない!

私は手作り食を持っていない方の手で、キジ白猫様の横っ腹辺りをゆっくりと撫でてみた。
抵抗はない。
手作り食を食べるのに夢中と見える。

これなら、もしかして……。

満足気なキジ白猫様は、ゴロゴロと喉を鳴らしている。
手の平の手作り食は、もうほとんど残っていない。

こうなったら、今しかない!

キジ白猫様に私が抱く機微を悟られないためには、迷いを捨てるべきである。
そう判断した私は、キジ白猫様の保護を決行することにした。

先ずは、キジ白猫様を撫でる手を徐々に頭に近づけ、耳の下を指で掻いてみる。
大丈夫そうだ。
警戒はしていない。

つぎに、その手を、キジ白猫様の胸辺りに滑らせてみる。
これも大丈夫そうだ。
嫌がる素振りをしない。

手作り食はすでに完食したものの、キジ白猫様は私の手の平をペロペロと舐め続けている。

いよいよだ!

私はついに腕を回し、キジ白猫様を抱きかかえようと試みた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉