新着情報

サービスエリアの空の下 48

キジ白猫様を一匹確保したことを、私は伝えた。
途端、

「うおおおっ!」

と、男性が歓喜の声を上げる。

「そんなに大きな声を上げて、周りは大丈夫ですか?」

いさめる私に、男性は正気に戻って恐縮した。

「あ……そうでした。すみません……」
「いや、私に謝る必要はありません。ただ、案じたまでです」
「はい……。それにしても、保護できたとは! ありがとうございます! ところで、どうやって保護したのですか? 捕獲器で?」
「いいえ、違います」

保護に至った経緯を簡単に話すと、男性は心底驚いているようだった。

「抱っこですか!? 今まで何度もチャレンジしたけれど、その度、自分からは逃げてしまったのに……。いやはや、天晴れ! 天晴れ!」
「そちらの状況はどうですか?」
「こっちはですね、大した進展はありません。なんせ、外灯が少なくて暗いので……」

察しはつく。
エサ置き場はそもそも、路上に堂々と置いてあるわけではなく、たとえば自分の家の敷地内にひっそりと置いてあることが多いので、そう易々と見つけられないだろう。
白猫様やキジ白猫様を見かけることも、広い敷地内を覗き込めない以上、難しい状況である。
それでも、男性は急に声を弾ませた。

「エサ置き場も三匹の猫も……もとい、一匹保護できたから二匹か。とにかく、いずれも見つけられていませんが、一匹だけ、野良猫を見かけました!」
「お! やりましたね」
「まあ、偶然ですよ、偶然」
「それで、その子を見かけた場所は?」
「Hさんっていう表札がかかった民家です。その家の納屋っぽい建物に入って行くのを見たんですよ」
「そうですか。その納屋をねぐらにしているのかもしれませんね」
「おそらくは。その黒猫がまた出てくるのを見張っていた方がいいですかね?」
「いいえ。それよりも、べつのことをお願いしたいのですが」
「なんです?」
「保護した子は今キャリーケースの中で、私の車の後部座席にいます。見たところ外傷などは無く、健康そうです。なので、ほかの二匹を保護できるまで、もう少しそのままの状態でも平気でしょうが……できれば、ご自宅に運んで頂けたらと思いまして。キャリーケースを一つしか持参していませんし」
「了解しました。では、一度そちらに戻って、自宅に連れて行きます!」
「お願いします」
「さっきと同じで道は空いてると思うので、到着まで30分はかからないと思います」
「無理して急がなくてもいいので、安全運転でお越しください」
「分かりました!」

男性はそういって電話を切った。

ところが……。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉