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サービスエリアの空の下 5

”シロ”くんが、自分は一人じゃないことをいつも信じていられたのは、飼い主様である男性と暮らしていたからであるのは間違いないだろう。
それだけの愛を互いに結わいた男性と”シロ”くんの絆に、私は感服した。

「お宅さんと暮らす兄弟猫とは、どんな出逢いだったのですか?」

男性に聞かれて、私は彼らとの縁を簡単に話した。

「そうですか……。アレルギー持ちの猫なんですね。かわいそうに」
「くしゃみが始まれば苦しそうですし、涙が止まらない姿を見ると、どうにかしてあげたい気持ちが強くなります。けれど、彼らがもしアレルギーを持っていなかったら、私と出逢うことはなかったでしょう」
「なぜですか?」
「元飼い主様であるブリーダーは、彼らがアレルギー持ちだから売り物にならないと判断し、処分をしようと考えたわけで、アレルギー持ちでなければ、彼らは当然、売りに出されていたはずだからです」
「なるほど……。とはいえ、変ないい方ですけど、アレルギー持ちの体質が幸いしたのですね。でなければ、兄弟は別々の買い手に引き取られていた可能性が高かったわけで……」
「仰る通りです。彼らの暮らしぶりを見てきた限り、兄弟で暮らすことになって良かったといえます。ほどよく仲が良いのはもちろんのこと、ほどよい遊びをする相手としては、兄弟同士なので申し分がないようですし」
「それは、なによりですね」
「はい」

男性は何度も頷きながら、笑顔を浮かべている。
その笑顔に刻まれる皺の深さに、男性の穏やかな性格の象徴を、私は見た。

少しして、男性は白猫様に視線を向けた。
それに倣って私もそちらに目をやると、すでに誰かに与えられていた揚げ物の類は無くなっていた。
傍では、先にいたキジ白猫様二匹が毛づくろいをしている。
白猫様の方は、丸くなって私と男性を見上げていた。

「この子たちは、毎日ここに、エサを食べにきているのですか?」

私は、何の気なしに聞いた。
すると、男性の笑顔が若干曇り、その理由を話し始めた。

「……そうですね。毎日、顔を出しにきてますよ。誰かしらが、必ずエサを置いて行くので」
「そうなんですね」
「とはいっても、さっきの揚げ物みたいなのか、残り物ですけどね。でもまあ、高速道路のサービスエリアという立地上、たまたま立ち寄った人がキャットフードを持参しているケースは少ないでしょうし。それを考えれば、身体に良くない揚げ物だと分かっていても、なにも食べられずに餓死するよりはマシといえるのかもしれませんが……」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉