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サービスエリアの空の下 55

私と白猫様がいる場所から離れて歩いて行ったはずの茶色猫様が、再び傍に寄って来ていて、こちらに向かい鳴いた。
鳴き声につられた私が顔を向けると同時に、白猫様も鳴いた。
そうかと思えば、茶色猫様は踵を返し、もう一度歩き始める。
それに誘われるように、白猫様が後を追った。

二匹の動作があまりにも連動していたため、私は一連の流れをただただ見続けていた。
それでも、茶色猫様の鈴音をきっかけにふと我に返り、私も二匹の後に続いた。

連れ立って行く先は、どこなのだろう……。
草むらの中に入って行ったら、確認が難しいな……。

しかし、どうやら二匹の行き先は草むらの中ではないようだ。
だとすると、まったく見当がつかない。
私は、二匹の行方詮索をあっさりと諦め、そのまま後追いを続けた。

草むらからどんどんと離れる二匹は、サービスエリア内の駐車場を進んで行く。
深夜帯ということが幸いして、走っている車は見当たらない。
それにしたって、今駐車している車がいつ動き出すかが定かではない以上、二匹が轢かれてしまう危険性はある。
駐車場を過ぎた先は、いうまでもなく高速道路だ。
そこへ出てしまえば、二匹が車に轢かれてしまう危険性はぐんと跳ね上がる。

そうなることだけは、何としてでも防がなくてはならない。
万が一の悲劇に備えるべく、私は警戒心を高めた。

しかしながら、それは一先ず杞憂に終わった。
というのも、ある地点まで歩いた後、二匹は立ち止まったからだ。

”……え? どうして!?”

私は、驚きのあまり棒立ちになった。
二匹が立ち止まった場所が、私の車の横だったからである。

「行き先はここだったの!?」

もしかして、キジ白猫様が車内にいることを知っているのだろうか……。
思わず甲高い声になって聞いた私に、二匹は尻尾を揺らして反応した。

保護したキジ白猫様が後部座席にいることを、この二匹がどうやって知ったのか……よしんば、その理由を教えてもらったとしても、ただの人間である私に理解できるはずはないだろう。
言葉で説明を尽くせぬことであるならば、まさしく、人知を超えたもの、といわざるを得ない。
お手上げだ。

とはいっても、である。
到底、理解はできないにしても、目の前で二匹が起こした行動をありのままに受け入れるほかない。
そう開き直ると、なぜか納得のできる事態だとも思った。
なので、お手上げな事態に執着するような無駄なあがきはせず、キジ白猫様を保護した理由を、私は淡々と白猫様に説明した。

私が説明している間、茶色猫様は時々毛づくろいをしていたが、白猫様はじっと耳を傾けていた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉