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サービスエリアの空の下 8

仮に、白猫様を動物病院に連れて行けたとして、だ。
その後は、男性がご自分の家で飼うのか、この場所に戻すのか、それを私は確認した。

すると、男性は、

「……先程、お宅さんがいっていたように、親子を離れ離れにしてしまうのは、やはり気が引けます。キジ白猫たちの元へ帰してあげた方がいいのでしょうかね? どう思われます?」

と尋ねてきた。
私は、きれいごとで飾ることなく、率直な意見で答えた。

「そうすることによって、親子共々また一緒に暮らせることになるので、悪いことではないでしょうね」
「ですよね」
「けれど、外で暮らすままだと、何かのきっかけで車道に出て車に轢かれてしまう危険性は変わりません」
「そうですよね……」
「それに、何が原因で皮膚病を患ってしまっているのかにもよりますが、もしも伝染性のものだとしたら、子どもたちに感染してしまうとも限りません」
「……そうですよね」
「もっといえば、すでに感染してしまっているかもしれませんし、ほかにも先天性の疾患を持っている可能性だってあります」
「そうですよね……」

白猫様もキジ白猫様も外で暮らしている故に、たとえば、猫エイズウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症などを患っている疑いもゼロではない。
当ブログ読者の中にはご存じの方もいると思うが、猫エイズウイルス感染症は咬傷などで、猫白血病ウイルス感染症は唾液などで感染してしまうといわれている。
これらの病気を発症してしまうと、いずれも高い確率で死に至ってしまうので、くれぐれも注意を怠ってはならない。

私は一つの可能性を話した。

「……もしかしたらですが、元飼い主様はそれを知ったので、遺棄したのかもしれません」
「充分に考えられますよね……。ほかにも猫を飼っていて、感染してしまうのを恐れたのかも……」
「とにもかくにも、保護なさるならば、三匹全員を保護することが望ましいと思います。それぞれを動物病院に連れて行き、しっかりと検査して治療をした後は、完全室内飼いがベストだと考えます。できれば、三匹一緒に。ただ、当然ながら、治療費やエサ代などが三匹分必要になってきますから、よくお考えの上で決断なさった方がよろしいかと……。これが私の意見です」

私の言葉を、男性は静かに聞いていた。
もちろん、私の意見を男性に強要はできない。
それは男性も承知の上で、意見を求めてきたのだろう。

また、それぞれの猫様を譲渡するという手もある。
だが、先天性にせよ後天性にせよ、残念ながら、何らかの疾患を抱えている猫様の里親がすぐに見つかる例は極めて少ない。

それらすべてを鑑みて、どのような決断をなさるのか。
私はつぎに発する男性の想いを待った。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉