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サービスエリアの空の下 82

過去ブログ『サービスエリアの空の下 80』と『サービスエリアの空の下 81』で綴った内容をかいつまんで伝えると、男性はいった。

「なるほどですね……。金髪男がウロウロ歩きをふいに止めた理由は、お宅さんが仰る通り、なにかを目撃したからなのかもしれませんねえ」
「可能性は低くないと思われます」
「だったら、確認してきましょうか? その方が、はっきりしするでしょうし」
「そうですね。お願いできますか?」
「行ってきます。ちょっと待っていてください」

張り切って歩き出した男性を見送って直ぐに、私は驚いた。
てっきり、草むらの中の確認だと思ったからだ。
けれども、男性が向かったのは草むらの中ではなく、喫煙所だった。
なぜ草むらの中に入ったのか、金髪男に直接確認するつもりらしい。

大丈夫だろうか……。
男性の態度如何では、喫煙所の中に残っている仲間の四人と一緒に粋がって、金髪男がケンカ腰になるかもしれない……。

案じた私は、不要なトラブルが発生した場合に備えて喫煙所に急いだ。
近寄って中を覗き見ると、男性の背中越しに複数の笑い声が弾けた。
それらの笑い声の正体は、五人のドライバーのものである。

一方の男性はというと、私から見えるのは背中なので表情までは分からなかったが、険悪な雰囲気は感じられない。
一見するに、どうやら、トラブル発展への心配はなさそうである。

然らば、このまま喫煙所の入り口に突っ立って聞き耳を立てる必要はない。
喫煙所のドアを私は開いた。

すると、真っ先に男性が振り向き、私に声をかけてきた。

「あ、お宅さんもいらっしゃったんですね」
「ええ、まあ」

私と男性のやりとりを見ていた五人のドライバーたちと目が合う。
一応、私は会釈しておいたが、彼らから特段の反応はなかった。
そんな態度の彼らはさておき、男性の目が輝いていることに気づいた私は小声で聞いた。

「それで……確認の結果は?」
「はい。それなんですがね、実に興味深いことを、彼がいっています。な?」

いいながら、男性は金髪男に目をやった。
私も倣って金髪男を見るが、彼は黙ったままである。
男性は、金髪男を促した。

「悪いんだけどさ、さっきの話、もう一回話してくれないか。草むらの中に入った経緯のこと」
「まあ……いいけど」

そういった割に、いかにも面倒そうである。
金髪男は左手で頭を掻きながら右手を胸ポケットに突っ込み、タバコを取り出した。
そうして火をつけて一服すると、ようやく話し始めた。

「さっき、彼女と電話してる最中だったんだけどさ……」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉