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サービスエリアの空の下 87

男性がよろこんでいるように見えるのは、おそらく、幽霊状態の”シロ”くんの存在を、金髪男なら信じてくれると考えているからであろう。
それを肯定してもらおうと、男性は金髪男に聞いた。

「鈴音の正体は、”シロ”の仕業だと考えているんだけど、どう思う?」
「どうって……自分がそう思うなら信じればいいじゃん。どっちみち、信じる奴は信じるし、信じない奴は信じないんだから」
「そうだよな。うん」

男性は、満足そうに何度も頷いている。

確かに、金髪男のいうことは一理あるだろう。
自分がした体験は、自分には本当だ。
だとしても、他人からしてみれば、信じるか信じないかは個人的に判断する自由がある。
しかも、男性や金髪男が述べているのは幽霊の存在で、それは人知を超えた出来事であり、誰しもを納得させることが実証困難な出来事の類だ。
信じない人間が多くても、致し方ない。

私はというと、事実が知りたいだけであるし、なによりもキジ白猫様の無事発見・保護に繋がることであればそれでいい、という考えだ。
よって、金髪男に対し、それに基づく聞き取りをした。

「今までのご経験で構わないので、お聞かせください。お亡くなりになった存在が、生きている存在に対して姿を見せる理由には、どんなことがありましたか?」
「うーん……一番多いのは、やっぱり後悔とか執着かも」
「それを、生きている存在に伝えたいと?」
「たぶんね」
「伝えた後は、どうなるのですか?」
「満足するんじゃない? だいたいが、もう現れなくなるけど」
「満足、というのは所謂、成仏する、という意味合いですか?」
「まあ、そうだと思うけど」
「そういうものなんですね……。ところで、生きている存在皆が皆、必ずしも幽霊が見えるわけではないと思うのですが、そういった場合、幽霊側が伝えたいことは伝わらないわけですよね?」
「まあ……上手くはいかないかもね」
「だとすると、幽霊側は満足できない。つまり、成仏できず、という状態になるわけですか?」
「まあ、そうなんだと思う。だけど、全部が全部、そういうわけでもないかなあ」
「……というのは?」
「たとえば、さっきオレが見た、猫っぽい幽霊のようなケースもある」
「……ん? もう少し、分かりやすくお願いします」
「だから、あの猫っぽい幽霊は、成仏できていないわけじゃなさそうってこと」
「成仏できていても、姿を現す意味とは?」
「それはケースバイケースだろうけど……さっきの猫っぽい幽霊の場合は、やっぱ、保護しようとしているキジ白猫に関係してるんじゃないかと思う」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉