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サービスエリアの空の下 88

金髪男が見た猫っぽい幽霊が、保護しようとしているキジ白猫様に関係しているというのは、どういうことなのだろうか……。
私が訊ねる前に、金髪男が話を続けた。

「関係しているといえば、この人にも関係があるんじゃないかな、たぶん」

金髪男にそういわれて、男性は目を瞬かせる。

「関係があるって……どう関係しているのかな?」
「いやあ、そこまでは分からない。ただの”勘”ってやつだから」

金髪男と男性は、しばし無言で見つめ合っている。
それを横目に、私は考えた。

金髪男が見た猫っぽい幽霊と、保護しようとしているキジ白猫様の関係性は、私にはまったくもって分からない。
猫っぽい幽霊と男性の関係性についても然りである。
保護後に共に暮らす予定であるという意味において、唯一、キジ白猫様と男性には、互いに関係性があるといえるのかもしれない。

だからといって、だ。
自分で述べている通り、金髪男の”勘”に過ぎないわけで、それを全面的な頼りにしての捜索・保護活動に舵を切るつもりはない。
なんにしても、である。
金髪男に話を聞いてみたものの、鈴音の正体について理解が進んだわけではなかったのは、率直に残念であった。

そんなふうに私が思い耽っていると、鈴音が聞こえてきた。
瞬間、男性と金髪男に目をやった。
しかしながら、今回の鈴音が聞こえたのは私だけのようで、二人の様子に変化はない。
なぜだろうと思っていた矢先、金髪男が喫煙所を指しながらいった。

「もうそろそろ、戻っていいかな?」

男性が、判断を伺うように私を見たので答えた。

「私の方は構いません」
「分かりました]

続けざま、男性は金髪男に告げた。

「友だちを待たせているのに、話を聞かせてくれてありがとうな。運転、気をつけて」

いわれた金髪男は、再び喫煙所に戻っていった。
それを見届けた後、男性がいう。

「しかし……彼、不思議なことをいっていましたね」
「ああ、”勘”のことですよね」
「自分には、そういった”勘”が働かないので、彼の発言の確度を客観的に証明しようがありません。彼に『関係があるんじゃないかな』といわれても、結局のところ、不確かなままですしね……。それでも、彼のいっていることを信じれます。お宅さんも、でしょう?」
「……」

否定も肯定も含まない、否、どちらも含んでいるといっていいかもしれない笑みで、私は頷いた。
私のその曖昧な態度に似たような笑みを、男性も浮かべている。
金髪男の”勘”については、私たち二人がこれ以上考えを巡らせても、もはや進展を望めそうになかった。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉