『ビタミンA』が不足すると、ペット様はどうなってしまうのか――
過剰摂取による健康被害と同様に、不足によっても、ペット様の健康に広範囲の悪影響が見られます。
具体的な症状の例としましては、
・夜盲症
・網膜の変性
・眼球乾燥症
・角膜の混濁
・結膜炎
・潰瘍
・皮膚病変
・気管支上皮の障害
・気道の障害
・唾液腺の障害
・精細管の障害
・体重減少
・食欲減退
・筋萎縮
・繁殖障害
・運動失調(子猫)
・免疫機能の低下
・被毛の貧弱化
・毛づやが悪くなる
・脱毛症状
・虚弱
・脳脊髄液の圧力増加
・腎炎
・骨の障害
などがあります。
さらには、免疫力が落ちることによって、細菌やウイルスなどの感染症や肺疾患、場合によっては発ガンの併発が起こりやすくなるそうです。
であるからして。
『ビタミンA』欠乏症で上記のような疾患を発症させないためにも、動物性食品の摂取不足にならないよう、ペット様の普段の食生活にお気をつけ願います。
付け加えまして。
『ビタミンA』欠乏症の原因となるものに、妊娠もあげられます。
しかも、妊娠中に『ビタミンA』欠乏症になってしまうと、流産・死産のリスクが高まってしまうというので、くれぐれも注意が必要です。
さて。
適量の『ビタミンA』摂取がペット様の健康には不可欠であるならば、どういったものを与えればいいのか、についてですが……。
レバー類は確かに、がん予防にも役立つ『ビタミンA(レチノール)』のほかにも、貧血改善効果が認められる『ヘム鉄』を多く含んでいます。
しかしながら。
『ビタミンA』過剰症(*『ペットフード 57』参照)のリスクを考慮して考えるに、体内に蓄積されやすい脂溶性の『ビタミンA(レチノール)』含有量が高いレバー類(特に鳥レバー・豚レバー)の与えすぎは、当然避けるべきでしょう。
その代わりとして、緑黄色野菜に含まれる(β-カロテン)から『ビタミンA』を摂取することで補う方が安全です。
水溶性の『ビタミンA』である(β-カロテン)ならば、過剰摂取分は排泄されますので、『ビタミンA』過剰症の心配がないからです。
そういった理由から、『ビタミンA』補給として良く推奨されているのが、ニンジンです。
ニンジンには、
・ガン予防
・抗酸化作用
・粘膜の正常化
・細胞増殖の調整
・腸内環境の改善
・アレルギー症状の改善
・皮膚炎の改善
・感染症の改善
などが期待される面もあります。
ただし、ニンジンには糖分も多いので、ペット様に与える際は適量を心掛けて頂ければと存じます。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉